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2014/11/23 11:00

想い出のマイルチャンピオンシップ

連覇を懸けたスプリンターズSは不良馬場に自慢の豪脚を封じられ、春の高松宮記念に続き2着。03年秋からのG14戦連続連対は十分に立派な成績だったが、競馬界の主役となったデュランダルという存在には物足りないものがあった。勝利を義務付けられた馬。2着以下は最下位も同じ。そんな勝負至上主義を背負っていたように思う。

迎えた第21回のマイルチャンピオンシップ。札幌記念を制し、満を持して前年2着の舞台へ再投入されたファインモーション(武豊)海外からの刺客ラクティ(P.ロビンソン)3歳牝馬ながら天皇賞(秋)で2着に入り、良血の底力を示していたダンスインザムード(C.ルメール)天皇賞大敗からの巻き返しを狙ったG1馬テレグノシス(横山典弘)など決して簡単な相手ではなかった。

ゲートが開き、スムーズな飛び出しをみせたデュランダル池添謙一は指定席である最後方を捨てて、じりじりと動きながら道中は16頭中の13番手を追走する。この辺りの順応性は前走でスプリント戦を使いながら折り合いよりも、臨機応変にポジションを動かせるデュランダルの賢さを物語っている。

3コーナーでは前にダンスインザムード、横にファインモーションという最高の位置取り。出遅れから序盤に脚を使って消耗したラクティはもはや敵ではなかった。坂の下りでまんまとファインモーションを内に押し込めたデュランダルは照準をダンスインザムードに絞る。いや相手は関係ない。たんにデュランダル専用進路を通ったに過ぎなかった。

勢いよく坂を下り、直線でGOサインを送られると伝家の宝刀が解き放たれた。まさに名剣と呼ぶに相応しい極上の斬れ味で大外を切り裂いたデュランダル。2着に2馬身差をつけ、楽々駆け抜けた先頭ゴールで味わうは1年ぶりの美酒。勝つべき者が勝つべくして勝った。そんな心地のよい余韻が残った。

2年連続でJRA最優秀短距離馬に選出されたデュランダルだったが同年香港マイルでは地元の大量散水に泣き5着、翌年には競走馬として不治の病とされる蹄葉炎を発症。スプリンターズSでは奇跡の復活を遂げた(2着)が、3連覇を狙ったマイルチャンピオンシップでは1.5倍の圧倒的支持を集めながら8着惨敗。デュランダルのマイルチャンピオンシップは大敗に始まり、惨敗に終わった。

個人的にはどんな強豪にも衰えは必ず訪れるという盛者必衰の理をデュランダルに教えられた気がした。追い込み名人の代名詞を引っ提げて数々のG1タイトルを奪取してきた池添謙一にとっても、“原点”の馬。短距離G1の時期には人々の記憶に甦る馬。それがデュランダルという馬が残した存在価値だ。


霜月S】は半数の8頭が休み明け。比較的順調なのが、ハンデを課せられたブライトライン(58)ガンジス(57)だが、順当に中心を任せられるような安定感はない。エアウルフも休み明けは得意な馬だが、結局仕上がりの問題が絡むだけに積極的に重い印をうつのは難しい。

意欲の東京遠征が続いているカネトシイナーシャ(54)に注目したい。オープン昇級後は6戦中5戦が東京コース。(8)(11)(10)(7)(10)着だから結果には反映されていないが、東京ダ1400m戦で2勝している実績から白井師はこの舞台への確かな適性を見抜いているのだろう。

昨年のテレビ静岡賞では馬群を割って、伸びてきたし、差し一辺倒のイメージよりも器用さがある。出走頭数は少ないがタールタンテスタマッタが代表するようにTapit産駒は当該コース【8-4-3-13】で勝率、連対率、複勝率の優秀さはもちろん、単回収率198%、複回収率135%はずば抜けた値。後藤浩輝の盛大な快気祝いだ。

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