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2014/11/01 13:00
アルテミスS・(萩S)
マックスビューティは87年の桜花賞、オークスを連勝した名牝。この年に生まれているので現役時代など当然知るわけもないが誕生日の3日後に神戸新聞杯を優勝していたりする縁もあり、この牝系は気にしていた。なにより均整とれた馬体から「究極の美」と形容されたほどの馬。惹かれるのも自然だろう。
初仔にあたるマックスジョリーは桜花賞、オークスでベガ相手に連続3着だから力はあったし、通算8勝を挙げダートのオープンでも活躍したチョウカイライジンなども輩出したようにマックスビューティの遺伝力も確かだったが絶対的な後継に恵まれないまま02年にこの世を去っている。
ただ血統表を眺めている過程で個人的にある種の芽吹きは感じていた。マックスジョリー唯一の仔がデインヒル(ビューティソング)だったこと。宝塚記念優勝や凱旋門賞2着のナカヤマフェスタ、天皇賞(春)連覇のフェノーメノが活躍している頃合い。ニックスが証明されていたステイゴールド×デインヒル。
まだ名前もないビューティソングの2012。を血統表に見つけた時、マックスビューティの血に再び魂が宿る予感めいたものがあった。フェノーメノで味わった痺れるような日々の訪れる瞬間を待った。ココロノアイと命名されたその牝馬は順調に調教を消化し、7月の福島(芝1800m)でデビュー戦を迎えた。
結果は離された2着。それでもスタートで挟まれる洗礼を浴びて後方に下がり、勝負所でもスムーズに外を進出した勝ち馬とは対照的に動くに動けない中で最後は馬群を割りながらもぎとった中身の濃い価値ある一戦。何よりも中距離戦で牡馬に混じりながらの1番人気にマックスビューティの復権を願うオールドファンの気概を見た気がした。
仕切り直しとなった2戦目は評価通りの順当な走り。いやある意味で順当を覆した。初戦に続き出負けしたが焦らずじっくり構えると直線は上がり33秒3の末脚で大外から14頭抜き。上がり時計の意味は薄い新潟でも最後流して2馬身半差のパフォーマンスに大きな将来性を抱かせた。
2着に負かしたギンザヴィクトリアが次走であっさり勝ち上がっているのは心強い。重賞ではあるが1勝馬が中心のメンバー構成。ある程度の完成度にスケールの大きさがあれば制圧できる。本数は少ないが南Wで長めを熱心に乗られているし仕上がりは不足なし。この血統だから多少渋ってもこなす。最大の問題は鞍上だが馬の力が圧倒的と信じたい。
強敵はテンダリーヴォイス。評価は驚くほど低いが新馬勝ちは東京マイルだし、前走のアスター賞(2着)でクビ差の接戦をしたコスモナインボールはアイビーSも連勝したようにレースレベルが高い。ディープインパクト×キングカメハメハはデニムアンドルビーらと一緒。祖母ブロードアピールだから馬力も搭載しているだろうし勝機もある。
レッツゴードンキの札幌2歳S淀みない流れを道中動いて勝ちに行った末の2着だから収穫大。牝系が少し頼りないがこれもパワーはあるから道悪は歓迎のクチ。新馬は辛勝だったがセンス良く大人びたレースをしていたプリメラアスールが4番手。以下はシングウィズジョイ、シャルール、トーセンラーク、ハナモモまで流しておきたい。
【萩ステークス】は随分と閑散としてしまった。6頭立てなら間違いなく1000m63秒台は下らないしポイントは「位置取り」と「瞬発力」だろう。紫菊賞でハービンジャー(トーセンバジル)がディープインパクト(ティルナノーグ)に完敗しているので、あまり強気にはなれないがスティーグリッツから。
母サンタフェソレイユはフェアリーS2着、叔父のキングストレイルが重賞2勝馬など一族に活躍馬が多数の良血。軽さや柔らかさはあるがパンチ不足の血統でもあるのでハービンジャーを持ってきてNorthern Dancer[5×4]は悪くない。芯が一本通れば潜在能力は高いだけに期待できる。阪神での上がり34秒6を信用する。
マサハヤドリームの母ランペイアはチチカステナンゴの半妹にあたる一級の血筋。こちらは父がメイショウサムソンで母系もNorthern Dancerのクロスが煩いので母父アグネスタキオンでどれだけ重さを緩和できるかが鍵だ。正味2ハロンで突き離した新馬戦からも水準以上の決め手はあるし、妙味を求めてポルトドートウィユを3番手に置く予想はありだろう。