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2014/10/19 15:00
秋華賞
盤石の競馬で完勝したヌーヴォレコルト、抵抗なく沈んだレッドリヴェール。明暗くっきり分かれた前哨戦のローズSが秋華賞にひと波乱を巻き起こす布石になったかもしれない。常に追う立場だったヌーヴォレコルトが今度は主役に推され、しかも京都内回りという難しいコースにも関らず人気は一極集中。陣営は強気な姿勢を崩さないがこれが命取りになるケースは想定しておくべき。
レッドリヴェールも阪神JF優勝、4か月のブランクをモノともせずハープスターを追い詰めた桜花賞2着などポテンシャルの高さは証明されているがダービーを使ったことによる疲労が残ったような見せ場のなさには不安を覚える。アパパネやスティルインラブのように前哨戦仕様だと走らない馬も少なくないが直線での離され方が悪すぎた。「馬群に入れて闘争心を掻き立てる」と作戦を隠さないがこれも好走確率を下げるだけだろう。
良血覚醒。◎レーヴデトワールはレーヴディソールやアプレザンレーヴなど錚々たる兄姉をもつ身として、この世に生を受けた瞬間から期待を背負ってきた。辛勝ながらも新馬を飾ったが2戦目の萩Sは折り合いを欠くなど若さを見せて6着。白菊賞を勝ってなんとか阪神JFに滑り込んだが結果は手も足もでない9着完敗。
年明けもすみれSから始動し、トライアルを挟まず桜花賞に直行。僚馬にハープスターという大物がいたことや良血ゆえの過大評価に悩まされたのには同情の念を禁じ得ない。それでも桜花賞は一旦インから抜け出しかかる勢いで3着ヌーヴォレコルトとは0秒2差5着に健闘。オークスの切符を取れなかったがあの時点で2400mを使っても参加するだけになった可能性が高いだけに結果的に大きな意味を持つアタマ差だった。
そして松田博資調教師の課してきた強引なまでのハードルもここに来て成果として芽吹きだした。紫苑Sは直前の豪雨で一気の馬場悪化。斬れ味特化型で決してパワーに秀でていないレーヴデトワールには難しい条件だったが久々の実戦に戻った姿は非力さが消えて逞しさが増す理想の成長を示していた。
ポンとゲートを飛び出すと先行争いを見る形でじわっと好位を確保。道中はじっくりと溜めを利かせて、鞍上も馬場の悪い所を上手に避けながら直線は外に誘導。順調に捌いて追い出すと馬もきっちり反応して先に抜け出していたショウナンパンドラを捕らえて本番へ弾みをつけた。馬体は減っていたが全体的に研ぎ澄まされた感じの印象だった。
マイネグレヴィルの逃げ宣言、ローズSでハナを奪い3着に粘ったリラヴァティ、ペイシャフェリスも簡単には引かないだろうから先行激化は必至。勝ちを意識しなければいけないヌーヴォレコルトやレッドリヴェールは相当なプレッシャーがかかる。一方で良くも悪くも奇を衒わず終いに賭けるだけのレーヴデトワールは気楽な立場。これを逆転の大きなポイントとしたい。劇的Vで未完に終わったレーヴディソールの物語を引き継ぐ。
紫苑Sで接戦した○ショウナンパンドラが強敵だ。春まではまさに素質だけで走っている馬の見本だったが馬体の充実と比例して末脚の迫力に凄みが出てきた。この馬が秋華賞で通用すると考えるのは道中で動ける脚がある点。フラワーCはキャリアが浅かったし、滅茶苦茶な捲りだったので最後は伸びを欠いたが、これは内回りへの適性を示す。
▲ヌーヴォレコルトはレッドリヴェールほど大敗のリスクは少ないがやはり立場の違いは大きい。詰めが甘くなっての2?3着と読んで評価を下げる。△ブランネージュのローズS(4着)は斬れ負けだったが平均以上で流れそうな今回はシンボリクリスエスらしい持続力とパワーで前進がある。
以下はローズSで才能開花のタガノエトワール、この距離でフローラSを勝っているブエナビスタの半妹サングレアル。大逃げだった時のマイネグレヴィルも警戒が必要。復活を期すレッドリヴェールの最終追い切りは全体時計こそ平凡もラストの伸びは上々。一か八かで消す手もあるが甦ればあっさりのある存在だけにここは生かしておきたい。