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2014/09/20 14:00

ラジオ日本賞

12年11月以来(京都)戦列を離れていた佐藤哲三騎手の引退会見が火曜におこなわれた。騎手生活半ばでの幕引きにどこかやりきれないような無念さが漂っていた。合計6回を数えた大きな手術、血が滲むような懸命のリハビリの甲斐もなくこのような苦渋の決断を下した(下さざるを得なかった)当人の思いは察して余りある。

夏に訪れた大山ヒルズで「ワンアンドオンリーに嫉妬するキズナを可愛いと思った」瞬間に引退を悟ったと冗談めかして語っていたが、確かに彼はもう弱っていたのかもしれない。少なくとも職人・佐藤哲三の言葉ではなかった。緻密な計算の元に理想の姿が描かれる頭脳、卓越された高度な技術、それらを支えた地道な日々の努力。彼は“馬を作っていた”。

かくいう私も魂が宿った彼の馬作りや騎乗は好きだった。だからベストレースにアーネストリーで優勝した11年宝塚記念を挙げてくれたのは本当に嬉しい。あのレースは当方にとっても指折りの名レースだ。「いつも切れ味のある馬ばかり回ってくるわけではない」この思いが「トータル的に競馬を考えて勝てる馬」を厩舎スタッフと試行錯誤し造り上げていくことに繋がっていたのだろう。

淀みのないペースで先行し、追走する後方勢の消耗を誘う。『肉を斬らせて骨を断つ』真の強い馬にこそ許された絶対王者の戦法。それを体現したのがあの宝塚記念のアーネストリーと佐藤哲三だった。アーネストリー同様にタップダンスシチーインティライミなど多くの共闘があった佐々木晶三調教師とのコンビは瞬発力勝負全盛の競馬停滞期において実に爽快だった。

精神的変化を2年目とすれば、攻めていく自身のスタイルを確立させてくれた技術的な転機をタップダンスシチーとの出会いと振り返っている。とにかく我の強いことで有名だった馬の気持ちを尊重した結果がジャパンC、宝塚記念のV。とりわけ「魅せてくれた仮柵沿い」のフレーズと共に蘇る雨の府中を疾走したジャパンCは当時高校生だった当方に競馬への興味を与えるまさに原点の一戦だったから感慨深いものがある。

「ジョッキーの腕でなんとか出来る事がある」「一流のギャンブルレーサーでいたい」彼の騎手としての信念は捻くれ者ばかりの博打打ちにも確実に伝わっていた。もちろん失敗はある。それでもファンはその心意気を買うのである。それがロマンでもある。角田晃一、佐藤哲三とスーパースターこそいないが渋い勝負師揃いだった競馬学校5期生も現役はひとりを残すのみ。明日のローズS。たまには期待してみようかと考えている。


【ラジオ日本賞】は別定だから「57キロ」のインカンテーションにとって有利な条件。同舞台だった前走のBSN賞は直線入り口で楽々先頭に立つ盤石の競馬。後方一気型でレースが終わった頃にようやく突っ込んできたヴォーグトルネードとは対照的にコーナリングが巧い器用な馬だけにやや癖のある新潟1800mも問題ない。ここは逆らいがたい。

順当なら13年レパードSインカンテーションとの直接対決2着、オープン実績豊富のサトノプリンシパルが対抗格も配当的旨味は一切ないのでサンドイッチを想定して、グレイトチャールズを取り上げておきたい。2着8回が示す通り勝ち味に遅いが裏を返せば常に力を出し切れる安定型でもある。

アンタレスS15着、ジュライS9着とオープン入り後はひと息だがいずれも先行できずに後方の侭で競馬にならなかった。新潟は5戦2勝2着3回でパーフェクト連対。調教は動かないタイプだが一週前にCW(一杯)でラスト12秒3だから態勢は整った。母父アフリートだから揉まれずにサトノプリンシパルの2?3番手から進めれば粘り込みは可能だ。

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