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2014/09/20 12:00
野路菊S
◆避けては通れない高速馬場との共存
記念すべき産駒の重賞初挑戦となった札幌2歳Sのスワーヴジョージは序盤に後方の馬群で揉まれ、4角では他馬と接触するアクシデントがあるなど若さを露呈し大敗してしまったが当然ハービンジャーの株を下げるような大事ではない。あのサンデーサイレンスだって初戦は落としているのだ。
ジャズファンクは札幌2歳Sを除外されての野路菊S参戦。祖母がマイルCS優勝など重賞通算6勝のシンコウラブリィで叔父にロードクロノスやトレジャー、キングストレイルやコディーノも属するハッピートレイルズの出身。大まかな印象としては完成が早めでやや底力に欠けるG2、G3向きの血統だ。
Northern Dancerのクロスは[5×5×5]になるが母ピサノグラフがSS×Caerleon(Nijinsky系)だからブエナビスタやレッドディザイア、ダノンシャークらと同じ相性の良い配合でこの組み合わせはRound Tableのナスキロ的な柔らかさの発現が競走能力における浮沈の鍵を握っている。
新馬戦(札幌1800m)のレースぶりを見るとスピード溢れるという感じではなかったし、前半5F66秒0の超スローで引っ掛かり気味とちょっと心配な面もあるがラスト3ハロン11秒9-11秒8-11秒7の決め手比べを内からスパッと抜け出した瞬発力と反応には見所があった(血統は関係ないが同じ勝負服のヴィクトワールピサの皐月賞や弥生賞を思い出した)
ハービンジャー産駒の競馬場別勝利内訳は札幌4、函館1、新潟2。父系の血統通り洋芝で強いことは証明したがクラシックに向けては本場での戦いが全て。その意味で野芝オンリーの現阪神開催は格好の適性試しの舞台。このクラスで結果が覚束ないようでは先行き不安。道しるべとしての働きに期待する。
◆B級メジャー
ダイワメジャーの配合ポイントは「ナスキロ+Toom Fool」、おまけでLady Angelaの増幅。ダノンメジャーの母父Azamourはキングジョージや愛チャンピオンSなど幅広い距離のG1を制した名馬で近親にも活躍馬は多数いる血統だが褒められた配合ではない。祖母VisorのNasrullah[4×5×5]も気になるし将来的にはパワーで走る長めマイラーだろう。
グランカマラードは「ナスキロ+Ribot」だから形としては悪くないが5代アウトだからオープンではパンチ不足。速い脚がないことを考慮してコスモス賞は早めに動いていたがスタミナ捲りに持ち込むわけでもなくラスト12秒0-12秒1-12秒3で勝ち切れなかったのは痛い。中央に戻る秋以降は雲行きが怪しい。
◆完成遅めの中距離馬
シングライクバードは重賞こそフラワーCの3着が最高成績も5勝を稼いだ馬。Roberto[3×4]だから上がり35秒台や急坂のある中山、阪神が向いていた。その初仔シングウィズジョイの父は自己主張しないマンハッタンカフェだから母の特徴を引き継ぐ可能性が高い。母父シンボリクリスエスでHail to Reasonのクロスは最低限。これも高速の阪神コースが鍵。
ハーツクライは父の晩成度を薄める効果があるので仕上がり早の母系とのマッチングがハマる。ベルラップは母父がシンボリクリスエスなので、その点で不安はあるが母母父がDanzig系のChief's Crownなのでどの程度に重さが緩和されるか。ナスキロの継続クロスなので面白さはある。