小倉２歳Ｓ

最終日を迎える小倉だが、Ｂコース替わりで内の馬場状態が良好。逃げ、先行が有利で差しも届くが道中はロスなく回ってくることが条件。ただでさえ不確定要素だらけの２歳重賞の上に、有力と目される馬たちがこぞって外枠に入ったことで波乱の余地が大いに高まった。

評価は低いが完成度と上昇度を買ってリッパーザウィンに◎をうった。新馬が前半3F34秒8-後半3F35秒5＝「1分10秒3」と平凡なレース内容だったのは事実だが、好スタートから２番手に控えて、４コーナーではジョッキーが周囲を確認してからＧＯサインを送るほど余裕のある手応えで直線へ。

追い出されると首をグッと下げ、体を沈める２歳馬らしからぬ出来上がったフォームで鋭伸。内を突いたシゲルアオイマツリ(１Ｒで未勝利を勝ち上がり)と馬体を並べた争いとなり最後はクビ差先着。数字的には接戦だが最後は馬の勢い任せで追っていなかったし、フットワーク自体も乱れていなかったから、余力残しでの新馬Ｖだったと言える。

父のヨハネスブルグは日本供用１年目となった昨年度産駒からホウライアキコ(小倉２歳Ｓ)タガノブルグ(ＮＨＫマイル２着)フクノドリーム(すずらん賞)などを擁して、噂に違わぬ速力と早熟性で短距離シーンを賑わせた。母系にもタイキシャトル×ヘクタープロテクターと２歳重賞向きの血が重ねられている。

一旦、栗東に戻して中２週で再度の小倉輸送となるが直前の坂路では手加減なく一杯に追われて【4F52.4-3F37.5-2F24.4-1F12.5】をマークしているように状態面の心配はいらないだろう。鞍上には今週から来日しているセルビアのデットーリことＪ．ペロヴィッチが騎乗。未知数だが一か八かに賭けてみたい。

○ロットリーの新馬戦は自らレースを先導して[34秒4-35秒2]＝「1分09秒6」開催後半でこのタイムなら上々だし、テン良し、中良し、終い良しで全体的に大人びた競馬ができるのには好感が持てる。Hey Doll A.≒Conbat Ready[3×2]の珍しいニアリークロスの持ち主でうまくハマれば面白い存在だ。

▲セカンドテーブルは２着以下を５馬身ちぎった前走の走りが圧巻。減量騎手だった事を考慮しても上がり3Fが次点と１秒も違うのは能力の裏付けと言える。トワイニング×サンデーサイレンスはフサイチアソートやドリームガードナーと同じで２?３歳では実績のある配合だ。

△ゼンノイザナギは中間の追い切り本数が物足りないが開幕週の馬場を差し切っての「1分08秒6」が目立つし、古馬を煽った調教の動きが抜群だった。サイレントプライド、スズノマーチの半妹スノーエンジェルは血統背景一番。中京1200mでＨラップを押し切ってきたタガノヴェルリーの性能も警戒。ダンツメガヒットも良馬場で見直してみたい。