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2014/09/07 11:00
丹頂S・すずらん賞
過去2年の丹頂S1?3着馬のハンデを見ると12年が(50)(55)(51)13年は(50)(52)(55)昨年は究極に時計を要する馬場状態だったので参考外かもしれないが洋芝2600mの特殊性やハンデを背負う実績馬にとって目標になりづらいレースである側面を考えると機械的に軽ハンデ馬を重視する作戦も悪くはない。
札幌日経オープンの好走やハンデ、状態面などあらゆる条件が好転することから人気必至だがここは素直にモビールから入るのが妥当とみた。前走は格上挑戦に加えて全く良績のない休み明けだったから9番人気も仕方なかったが後方からレースを進めて、直線もインに突っ込んで3着。
バンデには完敗だったが上がり最速タイの末脚で後方から唯一差してきた内容は見所十分。小倉で2600mの条件戦を連勝した時もだが、向正面や3角でピッチが上がった際にスッと脚を使える点が素晴らしい。“反応のいいステイヤー”という形容がぴったりだ。
休む前の中山での2戦はひと息だったが、サンシャインSは昇級でマイネルメダリスト(後に目黒記念を勝利)と0秒5差だし、湾岸Sは明らかに状態面の影響が大きかった。勝ち馬クリールカイザーは前走同斤で叩き合った末に競り落としているから実力的にはオープンでも見劣りしない。
ときに晩成の傾向も示すハーツクライ産駒の成長力は魅力的だし母父Lear Fanはジャック・ル・マロワ賞優勝やムーラン・ド・ロンシャン賞2着がある名マイラーだがRoberto系でもあるから孫世代に長距離向きの資質が伝わってもおかしくない。叩き2戦目で前走比4キロ減となる52キロなら連軸は堅い。
サクラボールド(53キロ)は洋芝では通算[1-4-1-0]と人気に関わらず絶対的な安定感で今夏も(2)(3)(2)着と堅実。この距離は初挑戦だが2000m級だと、どうしても後方から行く不利は否めないだけに延長は間違いなく好材料だろう。叔父にサクラプレジデント、半姉サクラヴィクトリアだから底力は重賞級だ。
休み明けや経験の浅い新人騎手のリスクはあるが裸同然の50キロであるスズカデヴィアスは断然有利。ダービー9着の実績やすみれSでワールドインパクトを下した比較からも世代の2番手グループには入っている。ナスキロ増幅でキンカメの成功配合を踏襲しているし好走しないようでは今後が不安な一戦。
ミッキーパンプキンの巴賞はスタート直後に挟まれる不利がありながらも道中、直線とほぼ完璧に立ち回って3着同着と惜しい競馬。初距離が課題も折り合いはつくし、洋芝適性も上々、父が長距離砲のダンスインザダークとくればロスなく回れる1番枠でもあるし克服する可能性は高いはずだ。
【すずらん賞】スピードの絶対値がそのまま能力の指針ともなる時期だけにシンフォニアが新馬で叩き出した「1分10秒2」「4馬身差」の数字は当然優秀な評価が与えられてしかるべき。おまけにここで負かした2頭が次走の未勝利でワンツーしているから走らずとも株価が上昇している。
だからこそ逆転があるとすれば身を持ってその価値の在り処を体験している者。テイエムダンシングは新馬でシンフォニアの2番手を進みながら直線は突き離され4着に終わっているがスタートの後手から差しに転じた未勝利戦では鮮やかな変わり身。世の中何が幸いするか分からない。
シンフォニアに負けて未勝利戦に回ったことも運命なら、出負けして後方からの競馬になったことも運命。物事が良い方向に進んでいる時はこんなものだ。逃げるにしろ、番手で控えるにしろシンフォニアにとっても楽な競馬にはならないだろうし伸び脚が鈍ったところをゴール前強襲といく。