ＢＳＮ賞・ひまわり賞

例年なら終盤戦となる夏の新潟開催も今年は１０月の頭までトータル２回２０日間に渡るロングランだから今週でようやく折り返しの地点。コース別の傾向等を洗い直す良い機会かもしれない。【ＢＳＮ賞】は昨年から1800mに距離変更。もともと圧倒的に逃げ先行に有利なコースだったが今年は道悪の影響も絡み、脚質差別が更に進行している。

先週までの時点で１７鞍施行されているが、３着以内馬５１頭中４角５番手以内が実に４２頭を計上し、４角３番手以内でも３０頭を数える完全な前残りコース。４角２桁番手台から複勝圏に突入したのはレパードＳのランウェイワルツ(３着)のみだ。差し追い込みは流れが落ち着きやすい向正面で仕掛けていける馬以外壊滅に近いと言える。

ただ相手が強くなる上級条件ほどレース中盤からの大技は当然至難となる。ここも１０頭立てだが少数精鋭の好メンバーが揃った。内容は一先ず置いても近２走で連続して４角５番手以内にいた先行力のある馬は内からジョヴァンニ、タイセイスティング、インカンテーション、タイムズアローでこの４頭がＶ有力。逆に３走連続４角２桁番手台のヴォーグトルネードはかなり危ない。

◎タイセイスティングの前走大沼Ｓはスタートを五分に出ると早々に２番手を確保。向正面で勝ったロイヤルクレストが仕掛けて一旦は３番手に下がったが楽な手応えでフリートストリートをパスすると直線も脚色は衰えず２着に粘り込んだ。ロイヤルクレストには完敗も後続はきっちり抑え込んでいるし、脚部不安による長い休み明けだったことを考えれば合格点を与えられる内容だ。

安定した先行力とスピードの持続力は魅力で昨秋の三峰山特別(不良)は逃げ馬をマンマークから、直線半ば馬也で先頭に立つとそのまま押し切り「1分35秒4」は３馬身半差の完勝。準オープンの錦秋Ｓは楽々ハナを奪って逃走を決めた。ただ前半4Ｆ47秒9、48秒3はそれぞれ恵まれたペースであり、大沼Ｓの500m通過30秒3も決して厳しい流れではなかったから今後重賞戦線を戦う上での課題となる。

ただ順調に使い込めてはいない５歳の遅咲きを考えれば伸びシロは十分に見込める。全５勝中４勝を挙げる東京マイルがベストなのは疑いようもないが左回り巧者でもあるし、脚質的なアドバンテージが大きい当該舞台なら実績の薄い1800mでも太刀打ちできるはず。むしろこの距離くらいはこなせないと活躍の場は限定されるだけに試金石の一戦。直前は南Ｗ(馬也)で6F66秒1と好気配だし叩き２戦目の勝負駆けとみた。

○タイムズアローは得意とは言えない小回り＋鞍上の拙さが目立った阿蘇Ｓでの２着が地力強化を確信させた。ゴール前の末脚は光っていたし、仕掛け→捌きがスムーズならメイショウコロンボにもっと接近していたはずだ。昨年のＢＳＮ賞２着馬でコースも問題ないし、自信を持つ1800mへの延長も好材料。叩けば叩くほど味が出る血統だし好勝負必至。

▲インカンテーションはレパードＳ優勝、みやこＳ２着など世代を牽引してきた実力馬で休み明け＆大幅馬体減など苦しい条件が重なったエルムＳでの３着は流石。再度の輸送と前走の反動が心配なぶん、割り引いての３番手だがここ２週の調教も悪くないしまともなら上位は安泰。△ランウェイワルツも５２キロなら力差なし。スタートを決めれば連突破も。


【ひまわり賞】は１４頭が未勝利と例年並みの酷さ。昨年は八つ分け帽子について話を割けたが今年は大挙８頭の大所帯となるのもスクワートルスクワートでは新鮮味ゼロだから特にネタもなし。しかし毎年のことながら、ほぼ似通った力同士のメンバー構成でありながら紛れが起きにくいというのはなかなか興味深い。

それこそ展開や馬場状態ひとつでガラッと結果が変化してもいいと思うが案外波風が立たないのは不思議だ。もっとも波乱になったところで的中する可能性は極めて低くなるわけだが…。8/16の未勝利を２馬身半差で快勝したクリノヤクマンは自身33秒9-35秒6=「1分09秒5」も上々。函館で一般馬相手の２着があるし順当ならＶだろう。

同レースで主導権を握ったテイエムヤンチャボも「1分09秒9」で走破しているから相手が悪かった印象。九州産限定とはいえ1200mになってレースぶりが安定してきたし、今回も大崩れはない。テイエムヤンチャボを下しているヒマラヤテンカは前走比４キロ増の斤量が鍵も今週のダート追い切りで終い11秒8を叩き出しているように動き秀逸で外せない１頭。