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2014/08/24 14:00

札幌記念

どの世界にも頂点を決める戦いがあるからこそ、その目標を目指す過程で切磋琢磨があり、その相乗効果によって全体の底上げが図られることにも繋がる。競馬の世界において凱旋門賞が最高峰と“刷り込まれている”以上はホースマンの視線が遠く離れた地に注がれるのも無理はない。

これはどの関係者にも与えられる権利であり、使命でもあるから、これに横槍を入れるような無粋な真似はしたくない。ただその挑戦に際しての値打ちが問題だ。夢を追う立場は平等でも国を代表するからには挑戦に見合った価値を示す必要がある。

欧州の芝への対応や斤量なども確かに重要な要素だがこれらは勝負の最終段階。いわば詰めの部分であり付随するオプションに過ぎない。世界一決定戦と銘打たれているレースに臨むにあたって最も大切なのは国を背負って走ることに対する誇りやプライドだ。

99年エルコンドルパサーの歴史的2着以降、日本にとって身近になった凱旋門賞だが近年で母国の威信を賭けて戦う資格があったのはディープインパクトオルフェーヴルの2頭だけだ。国内で頻繁に取りこぼすような馬に用はない。数年前にナカヤマフェスタが2着した時は心底安堵したものだ。

この件に関しては非国民と呼ばれても一向に構わない。勝つことがすべてではないと教えられた一戦だった。競馬ファンなら応援するのが義務のような風潮には戦慄を覚える。仮に勝っていたとしても一体だれがナカヤマフェスタを世界最強と認めるだろうか。好みで評判が分かれるようなレベルですらない。

「強い者が勝つのではない。勝った者が強いのだ。」という有名なフレーズはあるが、これが凱旋門賞で日本馬に当てはまった瞬間、凱旋門賞の権威は失墜することだろう。だからあの時、間違って勝たなくて本当に良かったのだ。「日本競馬が向上するためのハードル」これにはある意味で異論はない。

今年もまた3頭が海を渡ろうと準備を整えている。前哨戦に札幌記念を選んできたゴールドシップハープスターにもあくまで凱旋門賞視点で好意的にはなれない。日本のローカルG2の戦前でさえもゴールドシップには時計勝負の2000m、ハープスターにも小回り適性への憂慮がある。

ゴールドシップの重い芝で見せる神懸かり的な強さは若い頃から凱旋門賞向きと言われてきたし、日本馬ではこれまで例のない3歳牝馬が受ける斤量面における最大級のアドバンテージを考えるとハープスターが行く意味もなくはないが小細工で掴んだ栄冠に何の意味があろうか。

少なくとも我々、一般のファンが感じることは思われているずっと冷めたものだろう。ハープスターが凱旋門賞を制したとしても父のディープインパクトを越えたことには間違いなくならない。完全無欠の存在であるべきだとは思わないが遠征に対して一喜一憂するくらい自信を持って送り出せる品位は欲しい。

札幌記念の本命はタマモベストプレイだ。昨年の3月以来、連対すらないので成績的にはさっぱりだからブービー人気も仕方ないが近走の無駄な安定感に加え、久々に走る小回りコース、主戦である和田竜二に手綱が戻るなど条件が揃い始めたことが相当匂う。

外回りや直線の長いコースでも大崩れなくまとめてくる馬だが使える脚の質や長さを考えてもフジキセキ産駒らしく小回りで器用に立ち回ってこそのレース巧者だろう。ロゴタイプの2着だったスプリングSが「1分48秒0」5着ではあるが皐月賞もレコード決着の「1分58秒5」で走破している。

小回りの高速レースにおける適性はゴールドシップハープスターとは比較にならないほどある。皐月賞以降、唯一小回りで走った有馬記念でも5着に健闘しており、函館記念を勝って穴人気のラブイズブーシェとはクビ差だった。2週前に函館入りしてからも念入りにWコースで調教を重ねており状態も万全。二強を倒して“日本最強”をさらう。

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