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2014/08/24 10:59
北九州記念・(NST賞)
アイラブリリが単騎で飛ばした昨年が[32秒2-34秒5]=「1分06秒7」でアグネスワールドの保持するレコード「1分06秒5」に迫る猛時計。小倉は天候が芳しくないだけにパンパンの良馬場ではないが決勝タイムは7秒台前半が濃厚。時計の掛かったCBC賞組の出し入れに妙味が潜んでいるとみた。
そのCBC賞はベルカントが主導権を握る形で[34秒2-34秒4]=「1分08秒6」この距離としては前半の流れは緩く、逃げや先行馬は全く苦しくないし、長い直線を考えればこの上がりと勝ち時計なら差しや追い込みにも十分にチャンスが回ってくるという至って平均的なレースラップだ。
判断のつきにくいレースの中身ではあるが北九州記念の性格からすると2着エピセアローム、5着ベルカントあたりの評価を上げるのは危険と言わざるを得ない。逆に差し込んでいたスギノエンデバーやルナフォンターナは候補の一角だが今回狙いたいのは惜しい競馬をして6着だったワキノブレイブだ。
道中は好位で運んだ前走だったが肝心の場面で詰まって追い出しが遅れ万事休す。斬れる脚がない馬だけにスムーズさを欠いたのは余計に悔いが残る。結果的には絶好のスタートを切りながら、外から被され気味に入られてポジションを落とした序盤の些細なミスが最後に大きく響いてしまった。
ただそれでも着差は「0秒5」だけ。捌きがしっかりしていればもっと際どかったことは容易に想像がつく。2走前は準オープンに出走している馬だがシルクロードS5着や安土城S4着、春雷S5着など重賞やオープンでも掲示板を拾う力があるだけにハンデ差もあるG3で見劣りすることはない。
スリープレスナイト(父クロフネ)サンダルフォン(母父ジェイドロバリー)レディルージュ(父ブライアンズタイム)エーシンリジル(父フレンチデピュティ)スギノエンデバー(母父ブライアンズタイム)シゲルスダチ(父クロフネ)など近年の好走馬に共通するのはダート的なパワーや粘着力を持つ血統。
ワキノブレイブの父父Seeking the Goldはダート適性が高いし、母父ブライアンズタイムは言わずもがな。消耗戦になれば秘める底力が威力を発揮するだろう。この中間は重のCWで馬也ながら11秒9を記録するほど調子がいいし、中1週だった前走以上は確実。着実に地盤を固めてきた4歳馬が脚光を浴びる時だ。
コース適性証明済みのニンジャ(13年2着)スギノエンデバー(12年1着)も堂々首位戦線。とりわけニンジャは勝ち味には遅いが今年に入ってから6戦して掲示板を外したのが1回だけと堅実。苦手だった左回りのCBC賞3着は成長を示唆する最たるもの。昨年比1キロ増に留まったハンデにも恵まれた。
スギノエンデバーは京阪杯(3着)や春雷S(2着)のように先団にとりつく器用さも出てきたが勝ち切るならばやはり終い勝負。4勝を挙げる得意の小倉替わりで前進必至。昨年の小倉で2走連続「1分06秒9」をマークしたバーバラも高速レースは歓迎。気楽に構えれば実力的にもゴール前の浮上は可能だ。
【NST賞】は確たる軸不在の混戦だが54キロならキョウエイアシュラのVに賭けたい。3歳時にはNHKマイルカップ5着や京成杯AH3着もある馬。ただ、その実績に拘り続けた結果、長らく不振に陥ってしまったというのは皮肉な話。それほどダート転向による変身が鮮やかだった。
初砂となった薫風Sこそ4着だったが2戦目の安芸Sでは難なく中団に取りつくと手応え十分に進出し直線でGOサインを送られると先に抜け出したグレイスフルリープ(アンタレスS)をあっさり交わした。時計は上々だし第二の世界への展望は開けた。プロキオンSも着順ほどは負けていないし格下がりの一戦で新しい姿を決定付けたい。
左回り【3-1-0-3】のキクノストームは昇級戦のオルフェーヴルCこそ展開も向かず大敗したが天保山Sでは武器である差し脚をしっかり伸ばして5着入線。得意の1200mなら面白い存在。前走の桶狭間SではプロキオンSに匹敵するタイムを叩き出して逃げ切ったアスコットシチーも同型次第で上位争い。復調すればサウンドリアーナの決め手にも注意が必要。