アイビスＳＤ

東北復興を掲げたテレビ番組で東北各地のお祭りリレー中継をやっていた。煌びやかな祭りの雰囲気はたとえいっときでも夏の鬱陶しい気分を和らげてくれる清涼剤となる。夏の華が祭りならば、新潟の華はまぎれもなく日本に唯一の“直千”だ。メンバー的にはやや寂しいがスピード自慢が揃った。

伏兵候補は何頭かいるがこの相手関係なら昨年の２着馬フォーエバーマークがＶ最右翼だ。前年はハクサンムーンと競る形で先行し、ゴールまで叩き合っての惜敗。それでも３着リトルゲルダには３馬身半差をつけていたように、直千競馬における能力と適性は完璧に示した。

前進一途で挑んだキーンランドＣではストレイトガールを封じて待望の重賞制覇を果たすなど心身ともに充実してきた。スプリンターズＳ惨敗後、長く休養していたが５月の韋駄天Ｓで復帰。ブランクやハンデ「55.5キロ」など苦しい条件だったが、セイコーライコウに完敗も２着を確保したあたりが地力の証明。

叩き２戦目で期待された函館ＳＳは後続のマークがきつく前半3F33秒8と緩みのない逃げになり５着に敗走も、極端な前崩れの展開になりながら前に行った組としては最先着だから悲観すべき内容ではない。この中間はすべて馬也の点が不安らしい不安だが昨年と同ローテで至って順調な調整。実力馬らしい高みから見下ろす競馬を期待したい。

当面の強敵は韋駄天Ｓで敗れているセイコーライコウで仕方ない。とにかく抑えきれない超抜の手応えで楽々フォーエバーマークを交し去ったシーンが焼き付いている。テンのダッシュ力が直千競馬への適性を予感させるアンバルブライベンもバーデンバーデンＣのレースを見れば十分通用する。フクノドリームの「51キロ」も面白い。