クイーンＳ

リニューアル２週目を迎えた札幌。避暑を兼ねていつかは現実逃避に足を運びたいものだ。函館からの北海道シリーズ一連の特徴だが重視すべきは「洋芝への適性」「小回りへの対応力」芝コースはこの２点に集約される。この観点からいくと馬群苦手なスマートレイアーは後者の欠如、アロマティコの巴賞１着も少頭数で内が綺麗に空いた結果だけに過信は禁物だ。

内枠にケイアイエレガント、キャトルフィーユという小回りに特化した期待値の高い馬たちの存在はあるが、◎には本格化寸前のマコトブリジャールを推したい。実績では見劣りするが昨秋の紫苑Ｓでは１番人気(８着)、秋華賞でも９着ながら勝ち馬メイショウマンボとは０秒４差、スマートレイアーとは僅か０秒２差だから牝馬同士の比較であれば極めて能力接近と言える。

冬場は重賞出走や不慣れなマイル戦を使うなどして不本意な競馬が続いたが、1000万勝ち以来となる1800mの難波Ｓでは大逃げを放ったドリームトレインを道中２番手追走から直線で自ら捕まえに動いてなおかつ後続を凌ぐ強い内容。最終週で小雨が降るコンディションながら記録された勝ち時計「1分45秒7」は開催２週目にスマートレイアーが勝った大阪城Ｓと同タイムだ。

都大路Ｓは1000m通過57秒6のＨペースに飲まれて失速したが降級の垂水Ｓは難波Ｓのリプレイを見るような快走。後半4Fが11秒7-10秒9-11秒3-11秒9と先行馬にはやや厳しめのラップが刻まれたがゴールまで力強い脚取りだった。以前はリズムを崩されると脆かったが安定した先行力に終いの粘り強さが加わったとすればオープンでも堂々と渡り合える。

母父がブライアンズタイムだから持久力勝負でこそ真骨頂。洋芝は初経験だが九分九厘向く公算が高い。父のストーミングホーム(英チャンピオンＳ)は元々クロスのきつい馬で配合に難儀する面はあるがMachiavellianから通ずるHaloの血は小回りコースに強い。稽古駆けするタイプではないが、追い切り(函Ｗ・Ｇ前強め)で【5F65秒0-4F50秒6-3F37秒5-12秒5】と猛躍動したように体調はすこぶる良好。輝くの意を持つ“ブリジャール”が北の大地で光る。

相手にも好調馬を選びたいところでまずは復調の兆しがある○サンシャイン。精神的に苦しかったのかずっとレースをやめるような感じだったがマーメイドＳは勝負所で被されても怯まずに直線もしぶとく食い下がり０秒４差５着に善戦。追い掛けて大きく先着した調教からも調子の良さが伝わってくる。短距離馬として活躍した半姉ワンカラットが北海道重賞２勝しているように洋芝適性は問題ない

あとは毎度セットで近い着順に来るケイアイエレガントとキャトルフィーユ。お互い中間の本数は同じだし仕上がりに手間取る馬ではないから力は出せる。あとは好みだが札幌を考えるとディープインパクトのキャトルフィーユよりはキングカメハメハのケイアイエレガントかなといった程度で▲△には大差なし。追い切りが極端に少ないものの「52キロ」が有利の３歳マーブルカテドラル、内枠＋ステイゴールドのアイスフォーリスが連下。