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2014/07/27 08:00
中京2歳S・(福島テレビオープン)
19日に世代最初の重賞が行われるなど、日本列島を覆う熱気と同時に2歳戦も活発化してきた。ひと昔前まではクラシックを狙うには早すぎる、邪道だとまで揶揄された時期だが皐月賞優勝のイスラボニータ、桜花賞2着レッドリヴェール、日本ダービー3着マイネルフロストらを擁した2013年6月にデビュー勝ちを収めた豪華ラインナップを前にその考えこそが古いと言わざるを得ないのだ。
しかしだ、あくまで夏場に走らせることが良いという話ではない。無計画な使い込みはそれこそ先細りの原因となるのがオチだ。イスラボニータは2戦目が夏も終盤の新潟2歳S、レッドリヴェールは札幌2歳S、マイネルフロストも札幌2歳Sを前にコスモス賞を挟んだがマイネル勢にしては意図が感じられるローテだ。なりふり構わない早熟馬との線引きが重要になる。
開催が7月に移動した中京2歳Sも過去2年はクラシックを占う上(12年エーシントップ、13年グランシェリー)で全く機能を果たしていなかったが今年から距離が1ハロン延びてマイル戦施行になるのは番組における大きな改善点。9頭中5頭が未勝利とメンバーレベルは寂しいがディープインパクト産駒が出走してきたことで一定の成果は確認される。
注目のペガサスボスは母が96年桜花賞馬ファイトガリバー。繁殖としてはペガサスファイト(6勝)がいる程度でお世辞にも成功とは呼べない。ファイトガリバーの父は86年日本ダービー馬ダイナガリバーだから時代遅れは否めないし、父方のHyperion[5×5]母方のFair Trial[5×5]とかなり偏ったハイインローの配合が子や孫の世代に影響を及ぼしていて、母が現役時代に見せた切れ味が伝わっていない。
この母系に日本屈指のディープインパクトを付けて、血統の刷新を図ろうとしているのだが実のところディープは古い血統の活力を呼び覚ますのがあまり得意ではない。勢いがあれば欧米問わないがエアグルーヴやフラワーパーク、シルクプリマドンナあたりの現代競馬ではスピード不足の懸念がある繁殖とは合っていない。新馬の超スローを直線だけで差し切った決め手はディープの才能だがペガサスボスの前途は多難だ。
チチカステナンゴの種牡馬3年目はここまで7頭が出走して2勝と上々の滑り出し。6/7の阪神1600mで1、2着を飾った両騎が仲良く駒を進めてきた。上がり33秒7で快勝したケツァルテナンゴの母はクロフネ×トニービン×ノーザンテーストの組み合わせでカレンチャンのスピードをoffにして馬力を更にonにしたダートの中距離馬だった。
基本的にサンデーの性能が加わらなければチチカステナンゴは働けないのでこの形だと先々芝では厳しいだろう。母と似た適性にシフトしていくだろう。一方のウインバニラスカイは母父アグネスタキオンでなんと祖母がファイトガリバー。Hyperion血脈をSS系で相殺したところにまたチチカステナンゴだからこれも褒められた配合ではないが全姉エクセレントビュー(フェアリーS5着)はマズマズだし今回のレベルなら通用しても。
馬券的に狙って面白いのがヤマカツライデンだ。シンボリクリスエス×ダンスインザダークだからこれも長い目で見る必要はあるが豊富な体力と水準級のスピードは兼備している。祖母ヤマカツスズランは99年の阪神3歳牝馬Sを逃げ切り、長休明け2戦目の秋華賞でも2着したほどの実力馬だった。母ヤマカツオーキッドもコスモス賞を勝っているし、2歳戦向きの血筋。大型馬で叩いて確実に良化しているだけに激変注意だ。
中京1400mを好位抜け出しで勝利したドルメロの3代母は84年の桜花賞馬ダイアナソロンでこれまた深みとコクのある熟成された牝系。エンパイアメーカー産駒には芝重賞馬のフェデラリストもいるが先週時点の通算勝利数が芝9勝に対して、ダート38勝だから適性は明らかだ。馬のデキは悪くないのだろうが、初戦は渋馬場でかなり上がりを要するダート的な決着だったので鵜呑みにはできない。
【福島テレビオープン】で有力視されているレッドレイヴンも思えば7/1の早期デビューを飾っていたがこの特典を生かしきれないままクラシックシーズンが終わった。酷使も良くないがこの厩舎は逆に馬を可愛がりすぎだ。函館に運びながら巴賞で5着に敗れると文字通りのとんぼ返り。鍛え方もぬるいし素質馬が台無しだ。
混戦模様で最後モツれればドリームバスケットが中央馬相手に一発見舞う。昨年のポートアイランドSを直線一気で差し切り、京都金杯でも0秒4差6着があるように笠松へ移籍になったこと自体が不思議な馬でオープン特別ならまだまだ稼げる。福島テレビオープンは12年2着、13年6着と参戦しており下見は十分。相棒となった尾島徹と共に“元中央馬”の意地をみせる。