函館記念

無冠の大器を返上だ。重賞初制覇を狙うアンコイルドは直前の追い切りで函館Ｗに入り、前半からしっかり負荷をかけられて【5F66秒6-4F51秒8-3F38秒3-1F12秒9】併せ馬で遅れたが相手はＧ１馬のクリソライト。走りの素軽さや反応などを見るとまだ絶好調時には及ばないが状態が上向きなのは間違いない。

前走の巴賞は前年に続き６着に敗走。叩き台なのは分かっていたが３角過ぎから鞭、４角手前ではいつも以上に激しく手綱が動いたように想像よりも更に走りが鈍かった。おまけに４角で弾かれて、直線外を通っているようではイン強襲だった勝ち馬に敵うはずもない。あらゆる点で不甲斐なかった。

昨秋は天皇賞(秋)４着、ジャパンＣ８着(０秒３差)になるほど成長したがその契機となったのが昨夏の函館シリーズだったように独特の芝質やきついカーブを擁する小回りへの適性が抜群だ。メンバー中最多の５勝をマークしている2000mは最も得意な距離。ハンデは軽くこそならなかったが据え置きの57キロ。戦ってきた相手を考えれば◎の座は譲れない。

○には同じく５歳のシゲルササグリを抜擢したい。ダイワファルコン、マイネルラクリマ、ラブイズブーシェ、ディサイファなど重賞常連の馬たちに食い下がった昇級２戦目の福島記念がハンデ差を考慮しても非常に立派な内容だった。しかもレコードが出る馬場で2000m「1分57秒5」は大いに威張れる。

休みを挟んで今春は状態が中々戻らず苦戦したが鳴尾記念ではまたも骨っぽいメンバーに混じって５着に健闘。上位４頭の争いからは離されたがそれでもカレンミロティック(宝塚記念２着)と０秒３差あたりを切り取れば値打ちがある。エアエミネムやファインモーションなど元祖函館記念血統のデインヒルが母父なのも魅力だ。

妙味があるのは▲アドマイヤフライト。ムラ駆けのようになっているが日経賞は超スローを終始外を回らされたのが響いたし、天皇賞(春)は相手が揃っていた。日経新春杯は惜敗したが、今回と同斤56キロだからまともに走ればローカルＧ３は通用する。洋芝は初経験だが半姉アドマイヤスペースは当舞台で勝ち鞍があるし、クイーンＳでも４着と頑張ったように適性の芽は感じる。

△ステラウインドは1000ｍ通過58秒3で道中縦長の隊列になったジューンＳを慌てず騒がず中団から図ったように差し切り。持ち前の決め手に磨きがかかっている。正攻法だった目黒記念(７着)も差はなかったし54キロなら連下注意。以下、今度は単騎になるゼロス(54キロ)大外枠で割り引きもＧ３は勝ち負けのアドマイヤタイシ、函館記念では掲示板止まりも一応トウカイパラダイスまで抑える。