バーデンバーデンＣ・(ジュライＳ)

どうやら梅雨が振り絞る最後の抵抗らしい。この週末は天気がぐずつき、気温も日曜の朝は２２℃まで下がった。日中も３０℃に届かない予報で嫌夏信者としては大変有難い。春先に今夏はエルニーニョが発生し冷夏になると聞いたときは喜んだものだが、いつの間にか撤回され、いても通りの夏だと平気な顔をして発表するとはなんと責任のない仕事なのだろう。来世は気象予報士を目指そうと思う。

さて福島の【バーデンバーデンＣ】土曜が稍重だったので1200mを中心にだいぶ外差しも決まるようになってきた。８枠１５番マヤノリュウジンは高松宮記念、ＣＢＣ賞と本命にしてきた手前、オープン特別では評価を落とせない反面、人気と戦うのを覚悟していたがあまり沸騰していないのは朗報。たしかにスプリンターズＳ３着以降が(９)(８)(９)(８)着では本当に強いのか懐疑的にならざるを得ない。

京阪杯→京都不向き、阪急杯→苦手な休み明け、高松宮記念→馬場が悪すぎ、ＣＢＣ賞→気分よく行かせ過ぎ。それぞれ敗因はあるので総度外視も可能だがあまり言い訳敗戦が積み重なるのも良くない。色々な意味でビートブラックの記憶を喚起させる。ＣＢＣ賞は休み明けでも中間は動いていたし、力を出せる態勢であの粘りの無さだから萎えたが陣営も今回は横山典弘で溜める競馬をリクエストだから腹を括った。

４月の船橋Ｓ以降、別馬のように芯が入って本格化したコウヨウアレスが当面の強敵。前走のパラダイスＳ(２着)は最終週でガンガン追い込みが決まる中で二番手から直線は一旦抜け出す見せ場を作った。サンデー×Lyphardの形に馬力のあるフォーティナイナーだから少し時計の掛かる馬場で先行押し切りは理に叶っている。先週の日曜、そして水曜と意欲の３頭併せで相手関係手薄なここは必勝の構え。

骨折明けで簡単な条件ではないがポアゾンブラックは13年春雷Ｓでアースソニックやテイエムオオタカを退けている実力馬。持ち時計に不安を残すだけに適度に時計を要す福島は合うはず。仕上がりは悪くないだけに一角食い込みを狙える。ケイアイアストンは昨年が54キロで４着。１キロ減で好調の江田照男なら複穴警戒。内枠で捌きが鍵も力は上位のニンジャ、展開が向いた時のブルーデジャヴまで。

【ジュライＳ】は距離不足のヴォーグトルネード、内枠巧者のハートビートソングの外枠と人気を形成する馬に危険信号で波乱含み。注目は白川郷Ｓでレコードを叩き出したサトノプリンシパルと中京1800mで２戦２勝と舞台適性が高いメイショウコロンボ。後者は昇級したばかりで実績に乏しいのは仕方ない。ただ「1分50秒2」の持ち時計など上位陣に見劣りしない部分もある。

この距離は[３-３-１-２]で４着以下になった２戦中競走中止だった初夢Ｓを除くと実質崩れたのはナリタブライアンＣだけ。このレースは唯一ハナを切ることが出来ず主導権を握れないまま終わってしまった。脆さが現状克服すべき大きな課題だが逃げられれば平安Ｓでも０秒６差に善戦できる。それだけに逃げ争いを制すことが先決となる。

２走前の春光Ｓが「1分36秒4」翌日ベストウォーリアが勝ったオアシスＳが「1分35秒8」でそこから０秒２差２着に逃げ粘ったのがサトノプリンシパル。走破タイムベースだとあまり差は見られないが前半３ハロンだとメイショウコロンボ12秒2-10秒9-12秒5に対してサトノプリンシパルは12秒0-10秒7-11秒2だから速さの軍配は圧倒的にサトノプリンシパル。東京大賞典４着など強い相手に揉まれてきた分、一日の長があると考えるのが妥当だ。

こうなるとメイショウコロンボをばっさりの手もあるがこちらも成長しているだけに番手からでも対応できる可能性は捨てられない。クリノヒマラヤオーはどことなく地味だが準オープン２勝の法則通り侮れない存在。競馬の取り口も安定感があるし、前がやり合えば浮上してもおかしくない。スズカセクレターボは欅Ｓでスピードを生かした格好で３着に好走。距離適性不詳のタイプだが伏兵にしておくのは不気味だ。