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2014/06/22 15:00
ユニコーンS
2歳秋の時点で東京マイル「1分37秒9」と破格の好タイムを叩き出していたアジアエクスプレスの真価が問われる注目の一戦だ。3歳2月に「1分38秒3」を記録し、ユニコーンSでも2着以下に1馬身1/4差をつける快勝だった昨年のベストウォーリアも完全に霞むほど強烈な数字だ。雨で湿った脚抜きのいい馬場も断然優位の立場を揺るがないものにしている。
では絶対視できる存在なのかと問われれば、やはり重箱の隅でもつつきたくなる。朝日杯FSを優勝し、スプリングS2着、皐月賞も6着の成績を収めたように決して芝で頭打ちになったわけではない。参戦理由が前向きだ。しかもダートでも現時点での能力を証明する確固たる裏付けがある。それでも実戦での勝手は違うとは都合のいい解釈か。父のHenny HughesもStorm Cat系で成長力に長けた血統ではない。
ヒヤシンスS(2着)「1分37秒6」のメイショウパワーズ、オキザリス賞で7馬身差離されたペアンも青竜S(3着)「1分37秒6」がある。古馬混合の三浦特別(4着)「1分34秒5」を持つレッドアルヴィスも持ち時計の判断では上位候補だが、伸びシロという点においてはキャリアが最も浅いワイルドダラーが一番と思える。
2戦2勝だが新馬がクビ差、500万がハナ差と派手なタイプではないから大騒ぎになっていないが追ってからの味と接戦に強い勝負根性は将来的に大きな戦力となっていくような野望を抱かせる。新馬戦は今回と同舞台。スローで前半からずっと引っ掛かり気味だったが4角でハミが抜けるとスッと進出し、直線の追い比べを制した。
騎乗していた内田博幸が「モサッとしていた印象があったので少し気合いをつけていったら抑えきれない感じになった」とレース後に語ったように折り合いに関してはワイルドダラー発信ではない。むしろそれだけ鞍上の扶助や動作に従順であり、追い出してからの反応の速さにもその一端が垣間見える。
前走は3か月の休み明けだったがこのレースも無難に発馬を決め、好位から運んで、残り200mから内外4頭広がっての厳しい攻防をあっさりモノにしてみせた。新馬同様に僅差で苦しい競馬のはずだがまだまだ余力を残したような勝ち方に大物の予感がある。経験の面では劣るがそれ以上に腕試しの場としての期待の方が遥かに大きい。
父ワイルドラッシュはG1(4)勝のトランセンドを筆頭にティアップワイルド、パーソナルラッシュ、クラーベセクレタなど多くのダート重賞馬を輩出し日本における砂の名種牡馬の地位を築いている。その最たる特長は『湿った馬場に滅法強い』『間隔を詰めた時の好走率の高さ』とはっきりしている。
梅雨空から時折強く降る雨の影響で稍重になったし、休み明けを使っての中1週とワイルドラッシュ産駒にとって最適な条件が整った。中央で5勝を挙げ、オアシスSで2着もある全兄ナムラハンターも活躍馬。近親にトウカイミステリーやナムラビッグタイム、ドラゴンファングなど短距離馬が多い一族だけにベストのマイルで◎は至極真っ当な結論だ。
芝と違って一本道かせいぜい三本道だから人気馬が順当に走りやすいだけに相手は素直に○アジアエクスプレスを大本線に、逃げ一辺倒ではなくなった▲ペアン、不良のフェブラリーSをスピードだけで押し切ったメイショウボーラー産駒の△メイショウパワーズも能力と適性が合致するだけに要警戒。以下バンズーム、レッドアルヴィス、アンズチャンまで高配当の片棒を担ぎそうな伏兵に流す。