函館ＳＳ・(米子Ｓ)

函館の申し子ストレイトガールが堂々の凱旋。わずか１か月半で５００万から４連勝を達成し、オーラスのキーンランドＣでも２着した昨夏の鮮烈な活躍は記憶に新しい。当初は函館専用機の疑念もあったが中央場所に移ってもシルクロードＳで重賞初制覇を飾ると、不良馬場の高松宮記念で３着、更には未知数だった1600mのヴィクトリアマイルでも一瞬のキレを生かして見せ場十分の３着に入線するなど刻々と進化している。

今回は縄張りである函館1200mで絶好の２番枠。普通に考えれば単勝１倍台も受け入れざるを得ない条件。ただＧ１連続好走後のＧ３はいかにも危ないパターン。地力の差で順当に収まる場合も当然あるが、それ以上に不可解な負け方を喫してきた例を挙げれば枚挙に暇がない。裏を返せばパフォーマンスの絶対値が抜けている訳だが15-15に近い調教といい、ストレイトガールの馬格に対する「56Kg」も気になる材料だ。

ストレイトガール以外はほぼ横一線だろう。展開、枠順、状態など条件次第ではいかようにも覆る実力接近の組み合わせ。キーンランドＣで実際にストレイトガールを撃破し、昨年のサマースプリントチャンピオンに輝いたフォーエバーマークも洋芝適性が高いので手頃な人気からも少しなびくが穴狙いが信条の当欄としては手を尽くして６歳ハノハノの実力に◎をうってみたい。

とにかく適性が見えづらい馬で「１分10秒5」も要したバーデンバーデンＣ２着したかと思えば、秋には８戦して４着が最高だった京都の京洛Ｓを「1分07秒0」で快勝。これで本格化と期待させるも以降は二桁着順が３回続き、春雷Ｓ４着、鞍馬Ｓ３着でようやく上向いてきたところだ。結局、条件云々よりもただの気分屋なのだろう。１頭強い馬が中心に構えている時はこのくらい気楽な方が良い仕事に結び付くとは楽観的すぎるか。

しかし昨年の北九州記念で本命を打つなど個人的にハノハノは重賞でもやれるという手応えはずっと持っている。アイラブリリがぶっ飛ばして前半3F32秒2の激流になった中を先団から唯一踏ん張っての０秒３差６着は評価に値するし、遡れば船橋Ｓの[32秒9-34秒5]＝「1分07秒4」もロードカナロアのスプリンターズＳ「1分07秒2」に次ぐ昨年の開催ＮＯ２タイの優秀なタイムだ。本気さえ出せばＧ３には手が届く。

昨年の函館ＳＳは１０着だが外枠の不利が響きながら、０秒３差だから内容自体は悪くない。今年は絶好の１番枠を確保。フォーエバーマークが主導も、メモリアルイヤーやツインクルスターなども絡んで行けば、前にも多少は厳しくなるだけに好位差しの目はある。きょうだいでまともに走った半姉ボーテセレストは函館２勝だったし適性は薄くないはず。父アドマイヤコジーンは過去５年の函館1200m[7-2-2-25]で連対率25％、複勝率30.6％の好成績。そして特筆すべきは単回収率511％、複回収率166％である。

ひと叩きされて上昇気配のある夏女フォーエバーマークが○。韋駄天Ｓは急仕上げ感ＭＡＸでしかも５５．５キロの斤量で軽視したが終わってみれば格上の力を示した走り。煩い同型はいるが経験の差で振り切りたい。ストレイトガールはさすがに切るまでの根拠には乏しいのでぎりぎり▲。重い洋芝が向きそうなのはクロフネ産駒の△アースソニック。折り合いと位置取りの兼ね合いだが重賞ウイナーの力を一考しておきたい。

【米子Ｓ】は谷川岳Ｓを上がり３２秒６の末脚で差し切って復調なったサンレイレーザー対ダイワメジャー軍団の様相だが、１２年に１８番人気で２着したサワノパンサーや０９年１４番人気３着のナスノストロークのように拾いようがない穴が突発的に出現するレース。Ｇ１戦線が落ち着いたところで抜けた馬はいないし、夏の重賞に向けた調整の段階の馬もいる狭間の時期だから難しい。

それでもサワノパンサーは安土城Ｓで２着、ナスノストロークは京都金杯６着、１２年１１番人気１着のフラガラッハもオアシスＳの前は阪神カップ３着だから、やっぱりそれなりに走れるポイントは隠されていた。ニューイヤーＳでは大差の最下位に沈み、大失敗したが改めてエアラフォンを買ってみたい。

近走不振の馬を中山マイルの大外枠で本命にするのは無謀すぎたが古い記録とはいえ、オープン特別のファイナルＳ３着やストークＳ「1分33秒2」がある阪神マイルなら面白いはず。休み明けの谷川岳Ｓは前半4F50秒2の超の上に超がつくスローで後方勢にはノーチャンス。それでも終いまで脚を使って、上位人気が予想されるオリービンとは０秒３差。サンレイレーザーとも０秒６差だ。前走で初めて装着したブリンカーも一定の効き目はあったし上位争いを期待したい。