共同通信杯

きさらぎ賞を勝ったワールドエースを仮想スペシャルウィーク級だとすれば
やはり引き続き９８年クラシック世代と重ね合わせて見守ってみたいと思う
ちなみに今のところセイウンスカイに近いのはアダムスピークという気がする

◆行く末はエルコンドルパサーかキングヘイローか
注目は当然東スポ杯２歳Ｓで２戦２勝としたディープブリランテ
母ラヴアンドバブルズはブリーダーズＣマイル３連覇他Ｇ１を１４勝したゴルディコヴァも
０８年に勝ったクロエ賞勝ち(仏Ｇ３・芝９Ｆ)があり全姉にフラワーＣ２着のハブルバブル
三代母バブルプロスペクターはザッツザプレンティ(菊花賞)バブルガムフェロー(天皇賞秋)
ショウナンパントル(阪神ＪＦ)ら活躍馬の根幹牝馬としてあまりにも有名な良血だ
阪神1800mの新馬戦は前半5F62秒2で２着以下を５馬身差ちぎったがラスト1Fは12秒5
東スポ杯２歳Ｓは不良馬場で前半から掛かって先行しながら12.2-11.5-12.2でまとめ
３馬身差の圧勝。着差＝能力ならばパフォーマンスは文句ないがそうは問屋が卸さない
Busted[4×5]やLyphard[4×5]とパワーと先行して味のある血がハマったここまでの成績と
受け取れなくもなくディープ産駒が不良で躍動するあたり母系の影響は大きそう
課題の折り合いを克服しつつ東京の良馬場でどの程度切れる脚を使えるのかが焦点
無敗街道をひた走り世界規模の名馬になるのか、クラシック善戦止まりに終わるか分岐点

◆絶対に言い訳できない
◎エネアドの母キューはロングアイランドＨ(米Ｇ２・芝１２Ｆ)の勝ち馬で
祖母のP J Floralも芝馬だったからアメリカ血脈にありがちな単調さがなく切れもある
半兄ブレイクランアウトは０９年共同通信杯の勝ち馬で上がり３３秒６極上の末脚で
トーセンジョーダンを寄せ付けないなどＧ１では不運続きだったが世代上位の実力者だった
父がSmart Strikeからディープインパクトに替わったエネアドはもっと切れていい
アテにならない新潟の新馬とはいえ上がり３２秒５で怒涛の追い込みを決めている
ただそれも条件が揃ってこそで近３走が不良馬場２回に小回りの2000mでは厳しかった
今回は待望の良馬場で展開いらずの東京1800m限りなくベストに近い条件
Ｄブリランテ同様折り合いに難のある馬で贅沢を言えば内枠が欲しかったが
掛かって負けたら所詮それまでの実力だったと諦めるレベルで正真正銘試金石の一戦になる
春に結果を求めるならば最低でも連は確保しておかなければならない

◆フジキセキ×中距離牝系
ストローハットは新馬戦でベストディール(京成杯)の３着
フジキセキ産駒の割に器用さや俊敏さに欠けるのはソヴィエトスターや
クリスタルグリッターズのいかつい血の影響だが母ウォートルベリーが
仏のＧ２ジャンロマネ賞(芝10Ｆ※０９年からＧ１に昇格)を勝っているように
2000m級までならスタミナに心配の必要ない血統で悪い事ばかりでもない
ただ決め手比べだと苦戦するのは明白だから先行してスピードの持続力で押し切りたい

スピルバーグはトーセンラーの全弟で兄より馬格もあり素質十分
ここ２戦を振り返っても光る末脚があるし東京向きで見せ場は作ってきそう
同厩のジャングルクルーズの母は愛知杯３着や福島牝馬Ｓ３着と重賞でも活躍した、
フィヨルドクルーズでいずれも条件戦からの格上挑戦だった点に今回魅力を感じるが
中山の未勝利をマクッて勝ったくらいでは推しづらい。経験を積んで青葉賞→ダービー路線

最後に札幌２歳Ｓ２着、ラジオＮＩＫＫＥＩ杯２歳Ｓ２着のゴールドシップについて
実力は認めるが出遅れ癖はともかくあの長く使える脚はコーナー４つ向きで後ろからだと危険
これはとりあえず今回評価を下げた理由なのだが重要なのは今後
メジロマックイーン産駒の母ポイントフラッグは前哨戦のチューリップ賞２着馬で
本番まではＯＰ特別２着２回を含めて[1-4-1]だったが桜花賞後は[0-0-0-9]
尻すぼみに終わったのは母系が古すぎて現代のスピード競馬についていけなかったため
ステイゴールドは繁殖の質以上に立派な成績を収めているが地味めな母系の陰で
Ｇ１を複数勝ったドリームジャーニー、オルフェーヴル兄弟には偉大なノーザンテーストが
補助に回っていたし凱旋門賞２着のナカヤマフェスタにはデインヒルの血があった
カコイーシーズ×マルゼンスキー→ナカヤマナイトやポリッシュネイビー×マルゼンスキー→
シルクメビウスでは重賞には手が届いてもＧ１級の底力や成長力は望みづらい
伏兵扱いで皐月賞に出走してくれば穴党としては食指が動くところだが少し考えたくなる。