きさらぎ賞

２月の声を聞いていよいよクラシック路線が本格的に動き始める
朝日杯ＦＳで暫定王者となった３戦３勝アルフレード(父シンボリクリスエス)に
ラジオＮＩＫＫＥＩ杯２歳Ｓで下馬評の高かった札幌２歳Ｓ組をまとめて破った、
２戦２勝アダムスピーク(父ディープインパクト)重要な暮れの二重賞を制した無敗馬が
まずは現３歳世代の中心を張る展開で開戦し現状これに絡んでいく勢力が
２戦２勝で東京スポーツ杯２歳Ｓを勝ったディープブリランテ(共同通信杯を予定)
ラジオＮＩＫＫＥＩ杯２歳Ｓ２着ゴールドシップ、３着グランデッツァ
京成杯を優勝したベストディールと相当レベルの高い札幌２歳Ｓ組

上記に挙げた馬だけで既にかなり粒が揃っておりＨレベルの激戦を予感させるに十分だが
朝日杯ＦＳとラジオＮＩＫＫＥＩ杯２歳Ｓの２レースを両方無敗馬が制した例を
９１年以降の過去２０年で調べたらかなり面白い事実にぶつかった
(性齢表記の関係で０１年以前は朝日杯３歳Ｓ、ラジオたんぱ杯３歳Ｓで検索)
これは９７年以来１４年ぶりの出来事。勘の鋭い方なら直ぐにピンとくるかもしれない
朝日杯３歳Ｓを勝ったのが怪物グラスワンダーでラジオたんぱ杯３歳Ｓはロードアックス
しかもこの世代は９７年から新設された記念すべき第１回東京スポーツ杯３歳Ｓを
勝ったのも無敗馬キングヘイローだから現三歳世代とおそろしいほど状況が酷似しており
これが今もなお語り継がれる「最強世代」の船出であった
ダービーがスペシャルウィーク、皐月賞と菊花賞の二冠をセイウンスカイ
ＮＨＫマイルカップのエルコンドルパサー錚々たるメンバーが覇権を争った
余談だがＮＨＫマイルカップにはエルコンを筆頭に２着シンコウエドワード
トキオパーフェクト、ラジオたんぱ杯３歳Ｓ以来だったロードアックスと
無敗馬が４頭出走しておりいかに実力上位勢の層が厚かったかを如実に表している
この日本競馬史に残る名馬を多く誕生させた世代と同じ最高の栄誉に向け賽は投げられた

９８年きさらぎ賞を制したのはスペシャルウィーク
武豊に初のダービー制覇をもたらす名馬だが実はこの時点で２戦１勝と土がついていた
２戦目の白梅賞で断然の支持(1.3倍)を集め当然圧勝するとの見方だったが
無名も無名の地方馬アサヒクリークの大駆け(単勝241倍)にあってハナ差２着
この時スペシャルウィークは除外の影響で体調が良くなかったという話もあるが
レース後武豊が弟幸四郎に「きさらぎ賞に使えなくなったらどうするんだ」と
叱責をした逸話も残っておりとにかく競馬の怖さを思い知るエピソードとなっている

少々脱線したが今回のメンバーで戦績とオッズが近いのがワールドエース
若駒Ｓの敗因が不可抗力(他馬の大駆け・不良馬場)と人災(体調管理・騎乗)も同じ
ただ血統的に外回りの決め手勝負だと分が悪そうなのは否めないし▲まで
頭から狙う人はスペシャルウィークの姿を重ねると心強いかもしれない
◎は荒削りだが絶対能力の差で圧倒する個性派に育ちそうなベールドインパクト
スタートが拙劣で成績にも影響した２戦目までだったが前走は圧巻の競馬ぶり
いつも通り後手を踏んで後方からだったがスローを見越して３角過ぎから徐々に進出し
４角手前までに先団までひとマクりし直線も早目先頭から脚を伸ばして初勝利
Ｍ．デムーロ騎手は常識破りのマクりを度々見せているが無作為ではなく馬は選んでいる
これまでのキンシャサノキセキやヴィクトワールピサはいずれもＧ１馬で
実力を認めた上での勝ちに拘る必殺の騎乗はクラシック級と目論んだパートナーに
これ以上の黒星は足かせにしかならないと判断しての封印解除だったと考えたい
スタートをまともに出た時、京都外回りでどんな競馬をするのか楽しみだ
本線は京都２歳Ｓで出遅れて大外を回りながら最速の末脚を繰り出したアルキメデス
潜在能力は高そうだし初戦のように先行できる脚があるのは魅力的で1800ｍもベスト
ロベルト系やダート実績のあった馬が強いレースで母父シーキングザゴールドは買い
△ヒストリカルは３戦全て内回りの2000mで器用さがない不利ありきの競馬
物足りない戦績だが状態が上がってきたここで良血の末脚が爆発するかもしれない
ボールドエンペラーを探すとすれば京成杯５着で同舞台の萩Ｓ勝ちのスノードン。