有馬記念

今年は春から古馬王道路線に役者がしっかり顔を揃えて白熱した好レースの連続
不動の中心を譲らなかったブエナビスタの凄さは「当たり前」を継続したことで
目立った故障もなく常に調子は万全、レースでも結果を出すプロフェショナルだった
近年稀にみる心技体を完璧に会得した名牝の功績は相当に大きい
引退直前のジャパンＣで１年分の鬱憤を晴らす劇勝を果たして最終戦も状態は最高
強いブエナビスタ上等。やはり倒す価値のあるスーパーホースだ

総決算ＧＰの栄冠だけは渡せない◎アーネストリーの捲土重来に期待する
新馬戦で後の皐月賞馬キャプテントゥーレとオークス馬トールポピーを
圧倒したあの日から始まった苦悩の日々にようやく終止符を打ったのが宝塚記念だった
前半５Ｆ５８秒７のＨペースも信頼で結ばれた絆に特別な事は何ひとつ必要なかった
むしろ最大の長所である「スピードの持続力」を生かし切るには最高の展開で
序盤から積極的に運び、残り３Ｆから１１秒５-１１秒７-１２秒０で一気にスパート
真の王者にのみ許される絶対戦法で２着以下をレコードで完封してみせた
前年の宝塚記念(３着)も天皇賞秋(３着)も全ての敗戦を糧に成長したまさに努力の結晶
前走の天皇賞秋は大惨敗したが元々東京に苦手意識のあった中で不利な大外枠を引いた上
スタートを失敗し控えては味がないと強引に先行したが最後で
未曾有の激流に巻き込まれる『五重苦』直線抵抗なく馬群に飲み込まれたのも仕方ない
ただ実力ではないだけショックも少ないし競馬をしていない分消耗も軽かった
中間は初の試みで短期放牧に出されたが大一番を前にしてこの英断が大正解
ガス抜きされて天皇賞以上の文句なしの出来に仕上がった
中山替わりは当然歓迎でコーナー６回を一番上手く捌いて来られる
ＧＰに愛された父グラスワンダーの足跡辿って２０１１年破顔一笑快心の勝利で飾る

グラスワンダー対スペシャルウィークの９９年有馬記念は語り継がれる歴史的名勝負
スペシャルウィークの仔ブエナビスタが３度目の正直を決めて仇討も悪くはない
勝負の場面を熟知しているしドラマを起こす血統だから難敵ブエナビスタがやはり○

Ｇ１は１勝だが個性豊かな４歳世代も年間通して盛り上げた
とくに震災で暗く沈んだ日本を明るく照らしたヴィクトワールピサのドバイＷＣ優勝
世界の競馬に名を刻んだ偉大さ以上にもたらした影響は素晴らしかった
顔を見せ営業だったジャパンＣ(１３着)とは明らかに異なる中身で反撃必至の▲
ジャパンＣで絶好位をキープしながら直線伸びきれず１１着のトゥザグローリーは
気持ちの問題か長い直線が気に入らなかったのか掴み所がないが調子はピークに近い
母トゥザヴィクトリーはジャパンＣ１４着後の有馬記念３着で血が騒げば一発ある
もう１頭の伏兵は凱旋門賞帰りで虎視眈々と態勢を整えてきた★ヒルノダムール
折り合いに不安がなく道中インでじっとしていられる願ってもない３番枠
菊花賞以降国内では安定感抜群だし冬場も得意とくれば波乱の使者となる
有馬記念登場を待ち望んだ本命に相手は昨年の１?３着馬で聖戦を悔いなく締め括る。