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2015/05/29 19:57
『東京優駿』はパクリでGO! (笑)
ここのところあまりにも的中率が悪いので、今週は“パクリ週間”でいこうかと思います。血統面は水上先生(学氏!!)の『ダービー、必殺血統』をそのまま採用いたします。(笑) そして、“ダービー”といえばワタクシはやはり寺山修司氏の、あの作品が忘れられません…。以下はその抜粋でございます。
1人の少年騎手がいる。まだデビューしたばかりなのに、ある日突然に与えられた馬が、初出走にすばらしいタイムで勝ち上がる。千メートル(中山)を58秒9というレコードである。少年はびっくりする。
ふいに訪れた幸運である。2戦目にもやはり、楽々と逃げ切って勝つ。この馬の姉が有名なミオソチスで、“忘れな草”の意味であったこと、調教師の高松先生が乗って、重賞レースをしばしば勝ったことなど聞かされ、「もしかしたら、この馬ではじめてのダービーに出走できるのではないか」という夢をもつ。それは少年にとっては眠られぬほどの夢である。少年の名は柴田政人、馬の名はアローエクスプレスである。
ところが、このアローと柴田との仲が、最初のクラシックレース皐月賞では、無惨に引き裂かれる…リーディング・ジョッキーの加賀がアローに乗って皐月賞に出走することが決められたのである。少年は暗い心になる。
まだまだ自分の技術は加賀には及ばないだろう。しかし、この馬に乗って、新馬、特別、京成杯と勝ったのは、自分だったのだ。やがて、アローと加賀との折り合いの悪さから、西の馬タニノムーティエに頭差だけ敗れたとき少年は半分切ない気持になり、半分はうれしい気がしたかもしれない。アローを送り出して空っぽになった厩舎の藁(わら)の上、じっと立っていると陽が差し込んでくる。「もし、自分だったら」と、少年は思ったことだろう。「もし、自分だったら、もう一息がまんして、タニノムーティエなどに抜かせたりはしなかったはずだ」と。