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2011/10/05 22:10

第23回マイルチャンピオンシップ南部杯

第23回マイルチャンピオンシップ南部杯は、盛岡競馬場の有料指定席で観戦しました。
圧倒的人気のエスポワールシチーが来るものだと思っていました。
ゴール前で立って見るのが好きなのですが、ここは指定席でコーヒーでも飲みながらのんびり見てやれ、といった感じでした。
今思えば、優雅に構え過ぎていました。
勝負事をなめていた、と言っていいと思います。

最終コーナーを回るまでは、のんびり見ていたのですが、この馬、行きっぷりが悪く、なかなか抜け出してきません。
だんだん心配になってきました。
走り方がたどたどしいのも、見ていて心臓に悪いことこの上なかったです。
「いつものエスポじゃない・・・」とようやく思ったところで、後の祭りでした。
そうこうするうち、最後の直線でオーロマイスターが完全に突き抜け、エスポワールシチーの負けは誰が見ても明らかでした。
一方、この馬の付近で、別の馬が頑張って駆けていますが、上から見ていて、今一つ見わけがつきません。
ゼッケンを確認しても、馬名がすぐに出てきませんでした。
誰だろう、と思っていたら、周囲からは、「高知の馬っ」との声が。
誰とはなしに、「高知が来た」、「大荒れじゃないか」と、確認するような声が飛びました。
自分は、エスポワールシチーの馬券を手にしながら、一瞬、その馬券を床に叩きつけてやろうかと思いましたが、
それだけはするなと、自制するのがやっとでした。
馬券をゴミ箱にかたずけ、急ぎバスに乗ると、中の様子はお通やそのものでした。

いつもなら、レース後、盛岡市内でお酒の2、3合でも飲むのですが、
その日に限り、盛岡駅内の緑の窓口に駆けこんで、すぐに東京に戻りたいと掛け合いました。
新幹線の指定席はあったのですが、わざわざキャンセルして、盛岡から逃げるように帰途につきました。
その日、新幹線の指定席はどれも満席で、東京まで立ちっぱなしという状況でした。
席なんてどうでもいい、とにかく帰りたいという有様でした。
盛岡市内でやけ酒をあおる自分だけは、見たくなかったのです。
新幹線の窓から外を見ると、東北の街並みが夜に支配されようとしていました。
黒ずんでいく景色を見ながら、その日のレースを振り返えざるを得ませんでした。
「高知の馬っ」、「高知が来た」、周囲の声を思い出しながら、なんとかその理由を見つけ出そうとしたのですが、なかなか思い当たりません。
昨年のレース、一昨年のレースと、順を追って思い返していくうち、ようやく、一つの理由が頭をかすめて、慄然としたわけです。
家に帰り、急いでnetkeibaにアクセスして様子を眺めると、高知競馬のファンの間では喜びの声が上がっていました。
そのとき、素直に賛同できないでいた自分がやるせなかったです。

その年、自分は何事にも停滞気味でした。
例えるなら、頭上には、得体の知れない巨大な黒い雲がかかっているのですが、
藪の中で潜んでいれば、いつかその雲も去ってくれるだろうと、どこまでも受け身に構えている様子でした。
心理的に受け身でいると、社交的にも影響が出るらしく、その当時、対外的にもかんばしい成績を上げられないでいました。
その年の馬券の収支が良くなかったことも、それらと関係があったのかもしれません。

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