第２２回マイルチャンピオンシップ南部杯

第２２回マイルチャンピオンシップ南部杯が開催された２００９年は、自分にとって、特撮の年でした。
２００９年１月に仮面ライダーディケイドが、同年９月には仮面ライダーＷが放映され、それぞれ、全話視聴しました。
そう、自分は、特撮ファンです。
ただ、その年は、いろいろと心配事が尽きない年でもありました。
精神的に停滞ぎみで、社会的な付き合いを避けていました。
特撮ドラマを見ながら、内心、いろいろと気苦労をする、すっきりしない変な年でした。
競馬についても、乗り切れない年でした。
それでも、年に一度の岩手競馬の祭典である南部杯については、自分なりに気になっていました。

第２２回マイルチャンピオンシップ南部杯は、近年では、なかなかの役者の揃ったレースでした。
南部杯４連覇という大記録に挑戦するブルーコンコルド、
前年の南部杯２着のメイショウバトラー、
フェブラリーステークスを制したサクセスブロッケン、
かしわ記念を制したエスポワールシチー、
南関で善戦を続けるボンネビルレコード、等々が顔を並べ、見応えのあるレースを予感させていました。
本当なら、喜んで観戦するのですが、その年は、残念ながら、なかなか踏み切ることができませんでした。
今、当時を振り返り、後ろ気味の自分に対して、後悔しています。

当時、岩手競馬に通いだした頃、盛岡市内のホテルに一泊し、初日に観光、二日目に競馬というスタイルでした。
せっかく北東北に行くわけですから、いろいろと周辺を見て回りたくて仕方がなかったわけです。
ただ、２年、３年と時が経つにつれて、新鮮味が薄れだし、徐々に鈍感になってもいきました。
初めの頃は、今年の南部杯が最後かもしれないという声を聞くと、是非とも一役かってあげたいと体が動いたのですが、
人間は環境に慣れる動物らしく、悲しいことに、徐々に危機意識が鈍っていった気がします。
何も毎年のようにかけつけなくてもいいではないかと、ふと、後ろ向きになっていました。
もっとも、その後、東北を襲った大震災に心底驚くことになるわけですが。

東日本大震災後、もっと東北を見て回るべきだったとか、岩手の沿岸部を旅行したかったとか、何度考えたかわかりません。
いつか訪れたいと漠然と考えていた東北の美しい海岸沿いは、ある日、突然、破壊されてしまいました。
２００９年の南部杯は、エスポワールシチーが逃げ切って圧勝したことで知られていますが、
私としては、変に後ろ向きになり、綺麗な東北を見て回るチャンスを棒に振ったレースとして、後悔を感じるレースとなってしまいました。