47件のひとこと日記があります。
2011/10/03 20:07
第21回マイルチャンピオンシップ南部杯
数あるレースのうち、最も印象深いレースが、第21回マイルチャンピオンシップ南部杯です。
南部杯が行われる盛岡競馬場は、中央競馬に匹敵する豪華な競馬場として知られています。
山の中にあるため、アクセスは不評ですが、ゴール前から見渡すと、切り立った山の斜面が独特の趣をつくりあげています。
木々がつくるグリーンの色模様が目に優しく、自然との調和を感じます。
メインレースが行われる時分には、傾いた太陽が周囲の色合いを薄らと変え、夕暮れ時の情感を高めてくれます。
何度か通う内に、ゴール前でメインレースを観戦することが自分好みとなりました。
もっとも、盛岡競馬場の膨大な建設費が重荷となり、当時、岩手競馬の存続が危ぶまれていました。
周囲には、この南部杯が最後になるのでは、と危惧する声もありました。
そのためか、いつもより人の出が多かったように感じました。
メインレースの前、イメージキャラクターに起用されていた東幹久さんが登場すると、周囲に大きな人垣が出来、人気の高さが伺えました。
予想を尋ねられると、東幹久さんは、ブルーコンコルドを推していました。
人垣の向こうでやり取りを聞きながら、自分は、このひとは勝ち馬を言い当てるのではないかと内心感じました。
ファンファーレが鳴る頃、空が雲一つないくらいに晴れ渡ったのが印象的でした。
レースでは、2番人気のブルーコンコルドが見事に優勝し、史上初の三連覇という偉業を成し遂げました。
1番人気のワイルドワンダーは3着に敗れ、2着には穴人気のメイショウバトラーが飛び込みました。
その後、メイショウバトラーは岩手競馬で何度か活躍し、カルト人気を得たと記憶しています。
レース終了後、急いでバスに飛び込んで帰路に着くと、改めて、今回の入場者の多さに驚きました。
見渡す限り、パーキングに自動車が並び、二度とお目にかかれないと思う程の圧巻でした。
その頃、私は、netkeibaで、何度も岩手競馬を推していました。
この南部杯でも、盛んに観戦することを呼びかけていたと覚えています。
何故、そのような行動に出たのかは、自分でもよく解らないのですが、そうせずにはいられない気持ちでした。
レース後、盛岡市内のある飲み屋に入ると、自然と、周囲は南部杯の話になりました。
「メイセイオペラは知っている?」等、気さくな感じで言葉が飛び交いました。
日本酒が気持ちよく追加されるうち、まだ若いおかみさんが、怪訝そうな顔で尋ねてきました。
「...ヨーロッパ」
何故だか、その目に言い当てられた様な気がして、慌てて店を出ました。
手元には、まだ、換金していない馬券がありました。
東幹久さんに乗っかり、ブルーコンコルドの単勝と、ブルーコンコルド―ワイルドワンダーのワイド等が残っていました。
これらの馬券をおかみさんに渡し、
「チップです。岩手競馬で使ってください」と言い残して飛び出しました。
飲み屋で、馬券をチップに使った人生初の経験でした。
震災後、ふと、思い出します。
あの日、偶然出くわしておいしいお酒を囲んだ人達は、無事でいたのだろうかと。
みなさん、元気でいることを祈念しています。
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愛しのウオッカさん
盛岡競馬場へ足を運んでみたくなる形容ですね!
私は地方競馬場に限れば、地元の名古屋競馬、笠松競馬にしか行ったことがありません。
盛岡競馬場のような場所ではありませんが、私が知る中央競馬会の競馬場にはない温かみと味のある競馬場です。
特に笠松競馬場は競馬場へ入るまでに出走馬が一般道を横断するので、人と馬が近くて驚きました。
今なお愛されているオグリキャップの銅像にお供えして競走馬の無事を祈願し、肉よりも衣が多い熱々の串カツに味噌だれ(名古屋人ですから?)を付けて、それを頬張りながら観戦します。
誘導馬のパクじぃやベ君と触れ合うことが最大の楽しみです。
私の笠松競馬場大好き話に逸れてしまい申し訳ございません・・・。
馬券をチップにしただなんて粋ですね!
そして、『岩手競馬で使って下さい』という気持ちがとても素敵です☆
もしも私がそのおかみさんだったら、馬券のチップとその言葉に涙します。 -
愛しのウオッカさんがいいね!と言っています。