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2014/10/08 17:53
2014年の凱旋門賞を振り返って
こんにちは。
競馬ブロガーの桜木悟史です。
今回は3頭も出走するということで例年以上に盛り上がっていたように感じます。それに反して結果はここ2年のオルフェーヴルのような結果を出すことはできませんでした。今回はどうしてそのような結果になったのか私なりに分析してみようと思います。
まず、多くの人が言っている前哨戦の有無です。これについては、過去のデータが示す通り、エルコンドルパサー、ナカヤマフェスタ、オルフェーヴルと前哨戦を使った馬は好走しており、前哨戦を使ったから好走できるわけではありませんが、好走の確率を高めることはできるという仮説は有力と言えます。
ただ、それだけでは足りないというのが私の見解です。
今回、ハープスターやゴールドシップの位置取りについて、騎手の判断や能力を問う意見を見受けました。ただこれについてはもう少し深く分析をするべきです。たとえば、2012年のオルフェーヴルはこの2頭と同じような位置で競馬を進めています。
もちろんペースの差や馬場の差があるので、単純な比較はできませんが、現地での経験が豊富なスミヨン騎手も選択しうる位置取りであることを考えると、位置取り自体は問題でなかったとも解釈できるのです。
では何が悪かったのか? 上のVTRを見ていると、あることに気づきます。それはフォルスストレートに入った時点でオルフェーヴルに騎乗していたスミヨン騎手は少しポジションを上げて馬群の横につけています。しかも、そうなることを見越してか、帯同馬のアヴェンティーノが進路を開けるかのように外へと逃げていくことが見て取れます。
このことからスミヨン騎手が以下のような思考を持っていたと推察できます。
・凱旋門賞で馬群を縫うような追い込みはできない
・外から差す場合、外に膨れてしまうと可能性が低くなる
それに対して今回のハープスターやゴールドシップはかなり外を走らされたことは一目瞭然です。ゴールドシップは2012年のオルフェーヴルに似た動きはしましたが、スピードについていけませんでした。これが直接的な敗因ではないでしょうが、ただこんな走りをしていたら、いつまで経っても凱旋門賞を勝てないのは素人目にもわかるでしょう。
この記事の本題に近づいていましたが、日本馬が日本人騎手で凱旋門賞を勝つために必要なもの、それは「騎手の経験値」です。
本番前に数回乗った程度で感覚を掴むというほうが無茶な話です。馬に前哨戦が必要なように、騎手にも経験が必要なわけです。それを1週間程度、試しで乗ってなんとかしようというのは、都合がよすぎるわけです。日本で活躍するデムーロ騎手やルメール騎手にしても毎年、数ヵ月という単位で日本の競馬に参加しているからこそビッグレースで勝てるわけです。もし日本の競馬関係者が本気で凱旋門賞を勝とうと考えているのであれば、たとえば本番前に騎手が現地で何ヵ月か修行をするという選択肢があってもいいはずです。
これに関して、最終的には本番での騎乗は叶いませんでしたが、オルフェーヴルに乗るために池添騎手がフランスでの修業をしようとした(※結局スミヨン騎手への依頼が判明し、すぐに日本へ帰国した)姿勢というのは評価できるわけです。このあたりの騎手の意気込みとか、そこに賭ける想いという部分で、まだまだ日本の競馬関係者は前進できる余地は大いにあると、私は考えます。