19件のひとこと日記があります。
2011/10/27 03:27
【回顧録】1998年天皇賞(秋)
―穴党の人間は、マゾヒストである― by井崎脩五郎
いや、本当に井崎さんがそう言ったかどうかは分かりませんが
それに近い言葉を、彼の著書から読み取ったことが過去にありました。
【以下、要約】
圧倒的人気馬を外した組合せの馬券を仮に買ったとする。
でも、その本命馬が人気に応えた走りをして1着になると
馬券は外れて、1円も払い戻しが無いのだけれど
“ああ、やっぱりこの馬は強かったんだ”と再認識する。
強いパフォーマンスを見せられ、アタリ馬券が手元に無い、
という状況にならないと、その馬の強さを理解できないのが
本当の穴党の人間だと思う。
【要約、終了】
先日の菊花賞でも、僕はオルフェーヴルを無印として馬券を買いました。
でもあのパフォーマンスを見せられては、まさに何も言えません。
ただただ、関係者には謝るしかありませんでした。
こういうことは穴党である以上、僕は頻繁に経験します。
ディープインパクトには一度も「◎」を打ったことはありませんし
今週だって、ブエナビスタを本命にするつもりもありません。
でも、心のどこかでは
“圧倒的な支持を集める馬が、圧倒的な強さを見せて勝つ”
“僕が持っている馬券が、ただの紙くずになっても構わない”
という思いがあるのかもしれません。
1998年の天皇賞(秋)も、僕はそんな気持ちでした。
この年、僕にとっては大きなターニングポイントを迎えていました。
2年間背負った【浪人生】という肩書きから【大学生】というものに変わり
大手を振って馬券を買えるような立場になっていました。
競馬界では、サイレンススズカが年明けからの連勝街道を突っ走り
毎日王冠では1歳年下のグラスワンダー・エルコンドルパサーとの
『最初で最後の、三強対決』
がありました。
秋の東京開催では、最後の直線は西日を正面から受けるので
走る馬の後方に影が出現します。まさに字のごとく
『影をも踏ませぬ逃走劇』
でサイレンススズカが圧勝。
直後の天皇賞(秋)では、勝つのはもちろん、道中はどれぐらい引き離すのか?
そして勝ち時計としてどれぐらいのタイムが計測されるのか?ということが
焦点となっていた、といっても過言ではなかったでしょう。
もちろん僕はサイレンススズカは無印。1円たりとも買っていませんでした。
逃げ馬が好きと言いつつも、単勝1.2倍という圧倒的な支持を集めたこの馬は
買うことが出来ませんでした。
“人気薄でこそ逃げ馬”、という方程式が当時の自分にありました。
このときの「◎」はシルクジャスティス。
捻(ひね)くれた性格の僕はサイレンススズカが
「ズブズブにバテて、馬群に沈んでいく」
姿を見たい、と思っていました。
でもそんな気持ちと裏腹に
「きっとサイレンススズカが圧倒的な強さで勝つのだろう」
という思いも持っていました。
それこそ、冒頭で書いた話じゃありませんが、スタートからビュンビュン飛ばして
次元の違うスピードで府中の2000mを逃切ったとしたら
改めてサイレンススズカの強さを思い知るのだろう、と思っていたのです。
結果はご存知のとおり。
サイレンススズカは最後の直線を走ることなく、その生涯を終えてしまいました。
「たら・れば」を言うのは愚の骨頂とは分かっているのですが……。
後のグランプリレースを連覇するグラスワンダーすら寄せ付けず。
そしてJC制覇や凱旋門賞2着となったエルコンドルパサーを子供扱い。
彼らを“モノサシ”にするのは失礼なのは百も承知。
でも、彼らの走りが優れていれば優れているほど、余計にサイレンススズカの
あの天皇賞(秋)でのアクシデントが悔やまれてなりません。
あんな大きなアクシデントがあると、勝ち馬は忘れられてしまうことがよくあります。
「ジンクエイトが勝った日経新春杯」は「テンポイントの最後のレース」と言われ
「ダンツシアトルが勝った宝塚記念」は「ライスシャワーが戦死した宝塚記念」と
記憶されてしまう悲しさがあります。
1998年の天皇賞(秋)を制したのは、言わずもがなオフサイドトラップ。
そしてこの馬も今年の8月、天国へと旅立ちました。
今年の天皇賞(秋)。
空の上からこの栗毛色の2頭が眺めてくれていると信じています。
―僕が競馬を続ける限り、天皇賞(秋)は栗毛の1枠1番がいつまでも先頭を走っています―
-
万年太目残さん
>四角マクリの31秒さん
今夜も真夜中に現れました^o^;
本当はもっと早く寝たいのですが(笑)
そしてコメント、ありがとうございますm(_ _)m
「馬事文化賞」の作品は、競馬好きな方にいろんな影響を与えることが
できるものだと思っています!
僕も『銀の夢 - オグリキャップに賭けた人々』や『血と知と地』を読んで
競馬に対する見聞を深めたり、それまでの印象が変わったことがたくさんありました。
いつか自分も“送り手側”に立てたら良いなぁ……と思っています!
出版記念のサイン会は、確かにやってみたいことの1つです(笑)
そのときには、しっかりと【四角マクリ様】と書かせてもらいますね♪
これからも長い文章の日記がUPされることもありますが
お時間あるときに読んで頂ければと思いますm(_ _)m
心強いコメント、本当にありがとうございました!! -
>万年太目残さん
こんばんは♪
馬事文化賞ですか!!すごいじゃないですか?!!
私も『優駿』『ミホノブルボンはなぜ名馬になれたのか』を何度も愛読してきました。競馬をギャンブルでくくるのでなく、壮大なブラッドスポーツドラマとして見ることの醍醐味を教えてもらいました。
そうですか。
前から日記とは何か違う匂いを感じていましたが、なるほど!^^
いつか関係者の目にとまり、万年さんの夢がかなう日が来ることを心よりお祈り申し上げております。
そして、いつの日か著書出版される日が来たならば、サイン会を開いてください。著書を買って行列に並びたいと思います。
そのとき「四角マクリです!」と自己紹介できる日を楽しみにしたいと思います。
私が感動してますから、きっと大丈夫ですよ。夢が叶うと思います。
頑張ってください!!!d(゚-^*) ガンバ♪ -
万年太目残さん
>四角マクリの31秒さん
こんばんは!そしてコメント、ありがとうございますm(_ _)m
そんな風に褒めて頂いて……。身に余る光栄です!
実は今でも「馬事文化賞」を獲るのが夢だったりします^o^;
多くの人が抱く【ギャンブル】というイメージを覆したい、
文章を使って、競馬のドラマをいろんな人に知ってもらいたい、
という思いを抱いております^o^ゞ
オルフェーヴルも栗毛でしたね!
そういう意味では、天皇賞(秋)をいつか勝ってもらいたいですね。
そうなればサイレンススズカを重ね合わせる人も居るかもしれません♪
天皇賞(秋)の予想は土曜日の夜中に書こうと思っています!
数あるG1のなかでも、天皇賞(秋)とJCは、僕の中では
特別な位置付けとなっています。
きっと、とんでもない馬から買うかもしれませんが……。
穴党の戯言をまた読みに来て頂ければ幸いです(笑) -
万年太目残さん
>マドロスさん
おお、ヤマニングローバルとムービースター……。
今ならワイドがありますけどね。。。
まとめて差し切ったのはレッツゴーターキンでしたね。
あのときは骨折明けでぶっつけ本番だったトウカイテイオーが
人気を集めていましたね。
今回、人気になりそうな馬も、牝馬ですがぶっつけで秋の盾を目指します。
歴史は繰り返す……のでしょうか?!
今から楽しみです!! -
四角マクリの上がり31秒さんがいいね!と言っています。
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>>万年太目残さん
こんばんは
これはもはや日記じゃなくなってますよw
まるで競馬専門紙に載るエッセイ級です。゙Number゙競馬特集号かも♪
熱いです。熱すぎますよ?\(≧U≦)/
3歳クラシックとはまた別の重みがある天皇賞。
私もサイレンススズカの衝撃ラストランを忘れることができずにいます。
ほんまオフサイドトラップが不憫でなりませんね。><
そうですね。スズカもオルフェと同じ栗毛だったんですね。
そっか? もしかするとスズカの生まれ変わりかもですね?♪(*'v'*)
感動させていただきました。
天皇賞予想楽しみにしています。(●^o^●) -
マドロスパイプさん
マドの「夢の秋天」は、平成4年っす。馬券は「ヤマニングローバルとムービースター」・・・