ジャパンカップ回顧

＜レース＞
スタート地点から30mほど絶好のポジションで見ていたのだが、全馬絶好のスタートに見えた。実際には７枠の凱旋門賞１、２着馬の出が悪く、これが致命傷になっていた。好発はアメリカのミッションアプルーヴド、それに大外から先手を狙ったトーセンジョーダン。これは予想外、この先行策がプラスに出るか。ブエナも好スタートから内々をキープ。大体予想通りだったが、１角で最後方がヴィクトワールピサというのはちょっと驚き。ドバイもそうだったからそれに馬が慣れていまったのか。前をカットされたらしいが、それ以前に行けなかったのが大きく、この時点で圏外と感じた。可哀そうだったのはデインドリーム。少し出が悪かったが、内の馬も少し外に寄ってきて下げざるを得なかった。位置取りが悪くなり、これも最後まで響いた。
向こう正面ではレースは落ち着き、1000m 1.01.8、同日同距離の500万下が59.5であったことからもいかにスローかが分かるだろう。そしてここでレースが動いた。まくり作戦を見たことがない安勝JKが動いた。馬もまくりは未経験。それでもスッと上がっていく。まくり切らず先頭のミッションアプルーヴドとの並走の形を取る。ここでうまかったのはトーセンにテン乗りだったC.ウィリアムズJK。よく見る光景ではまくっていく馬についていくように手を動かすのだが、ここで全く動かない。私も「ウィリアムズ行くな」とつい叫んでしまったが、それにしっかり応えてくれている。
先頭２騎が快調にラップを上げて直線に。ミッションアプルーヴドは直線入ったあたりから少し厳しく。変わってウインバリアシオンとトーセンジョーダンが叩き合いに。この時点でブエナビスタは内の窮屈な位置。「またか」と思わせたその時、外から被せにくるトゥザグローリーにぶつけるぐらいわずかな間隙にもぐりこませ、やっと前が空く。前を行くトーセンジョーダンとの差は約２馬身。
しかしこの差はブエナにとっては取るに足らないものであった。あっという間にその差を縮め、一気に抜き去る！と思いきや内のトーセンジョーダンも粘る。追い出しを我慢した分がここで生きてくるのか。２頭激しい叩き合い。しかし経験と雪辱への気持ちが上回ったか、最後はブエナがクビほど抜け出して１着ゴールイン。３着争いにはブエナの後ろをついてきた１枠のジャガーメイルが突っ込んできた。馬券的にはこれがありがたかった。４着馬は買ってなかったから。。。実際見ていると楽に３着に入ったように見えたが実際は結構僅差。後で見てちょっと冷や汗。
３，４番手から粘ったトレイルブレイザーは武豊JKが長めに手綱を持ってリラックスさせていたのが印象的で枠順と先行力をうまくいかした。ウインバリアシオンは安勝JKの機転で新しい１面を見せた。しかし後ろから行っても前に行ってもＧ１という舞台で勝つにはまだ足りない印象も残した。
凱旋門賞１，２着はこの後ろの６，７着。デインは外に出した時は「来るか！」と思わせるものがあったが最後は脚色が同じに。シャレータも出が今一つで外々を回ったのでいい脚をあまり使えなかった。２頭とも来年も来日したら重い印を打とうと思う。
ローズは勝負所でブエナに先に前に行かれた。瞬発力という点でこれからも厳しいと感じた。ヴィクトワールピサはやらずといった印象。最後は追っていない。「うーん、この馬を傷つけ
ないためにも有馬は出ないで引退の方が」と思われるレースだった。ペルーサはいったいなんだったんだろう。怪我などないようなので気性の問題か。強烈な末脚を持つ馬はポテンシャルで人気になりやすい。この馬はその典型だ。危険な人気馬である。

＜次走＞
当然このレースの次は有馬記念。ここのメンバーと３冠馬オルフェーブル、宝塚記念馬アーネストリー、凱旋門賞出走のヒルノダムール、ＪＣに間に合わなかったルーラーシップあたりか。
現時点で個人的には、ブエナビスタ＞オルフェーブルだと思っている。ブエナは２年前オルフェの兄ドリームジャーニーに負けており、ここで雪辱・大団円という絵が見たいのもあるかもしれないが、単純能力ではブエナが上ではないだろうか。ただ昨年の有馬記念、今年の宝塚記念のようにエンジンはかかったが、前を捕まえきれずというレースは想像に難くない。やはり自分自身の枠順と先行馬の枠順が大事なような気がする。内目の前から３列目あたりをキープできれば直線で馬群を縫う競馬が出来、外を回るであろうオルフェーブルをシャットアウト出来るのではないか。

＜馬券＞
久しぶりに会心の当たりだった。だからこれだけ長く書いているのかもしれないが、レースとしても良かったし、馬券も当ったし、非常にハッピーな１日だった。あとは全馬故障なく、有馬記念でも素晴らしいレースを見せてくれることを祈りたい。