アクティブバイオ

もう3年半も前のある暑い日、Mikiホーストレックに体験乗馬を申し込み、
いよいよその日がやってきた。

15年ぶりの騎乗の選定馬はアクティブバイオだった。
阪神競馬場で誘導馬をしていた頃に何度かパドックで見ており、
現役の頃は贔屓にしていた武幸が巧く乗っていた印象があった。
担当のK先生に「ホントに乗っていいんですか？」と思わず尋ねたり。

ブランクはやはり相当に長く、動いてしまえば誘導はある程度できたのだが、
体のバランスがどうなっているのか全く分からず、いろいろと指摘を受けた。

・脚と肩が前に出過ぎている
・背中が丸く、地面を見ている
・伏せ拳では正確な誘導ができない
・鐙が短く踵が下がり過ぎ　　等々

一番参ったのは常歩・速歩で鐙に立てなかったことだった。
正直なところ「あれ〜、こんなはずでは･･･（汗）」という感じで、
もっとやれると思っていた。
当時の騎乗メモを見返すと、"せっかくの名馬に申し訳なし"ともあり、
直後はずいぶん落ち込んでいたようだ。

その後もアクティブバイオには初期の4鞍に騎乗があり、見事な2Pで
このK先生に褒められたこともあった。
かなり気位が高く、人を威嚇するようなところもあって、後には口籠が
付けられていたようだ。

17年1月下旬のある寒い土曜の朝、アクティブバイオは九州の養老牧場へ移動し、
いま出ていったばかりのプレートがまだ付いている馬房をしばらく眺めていた。

記念すべき再デビューのコンビを組んだ、思い入れの深い男前なお馬だった。