「告白」

と言っても映画の話。

舞台は、とある中学校の教室内から始まる。

「私の娘が死にました。警察は事故死と判断しましたが、娘は事故で死んだのではありません。このクラスの生徒に殺されたのです。」

生徒を前に、女教師の衝撃的な告白から始まる。

テーマが社会のタブーを扱っているだけに、重苦しいだけの作品なのかと思いきや、次々と明かされるショッキングな事実に引き込まれるストーリー展開、個性的な登場人物とその告白、スタイリッシュな映像美の中に、精神の内側まで浸透してくる音楽が絡み、芸術性にも優れた作品になっており、問題提起だけでは終わらない、超一流の極上サスペンスとも言える日本映画に永遠に残るであろう名作でした。

とくに社会問題化しているイジメや、登校拒否、引き籠もり、モンスターペアレンツ、そして少年犯罪と被害者家族など、扱いにくい現代の闇を象徴する問題を真正面からとらえ、倫理観とは?人間の本音とは?という人間心理をリアリティを持って鋭く描いた点は素晴らしい。

それでいて物語は分かりやすい作りになっており、普段映画を見ない人も見やすい映画だと思います。

物語後半の松たか子の名演技は必見です。

時間のない方も時間を作ってでも観る価値はあります。

ぜひおすすめしたい作品です。