競輪
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2019/10/13 18:25
レビュー 凱旋門賞 ブラストワンピース
まずは、騎手のコメントから
「難しい、厳しい戦いだったなと思います。とてもいい状態と思いました。いい枠が当たりましたし、流れに乗りながら、内で脚をためることができれば、というイメージはありました。ゲート出てからの前半、ポジションを取るまではスムーズに走れていたと思いますし、ただ、向こう正面の中間あたりから、なかなか進んでいくことが難しくなってきまして、と同時にエネイブルとソットサスから同時に来る形となって、そこで主張しようにも進めなかったので、エネイブルの後ろをキープする形に切り替えました。目の前にエネイブルがいて、真後ろにヴァルトガイストがいて、悪くないポジションではあるとは思いますが、進みながら取れたポジションではなく、苦しい走りをしながらのポジションなので」
「こちらの方の話でも、例年以上に今日の馬場はタフだったと聞きましたし、実際、僕がハープスターで乗せていただいた時より圧倒的に馬場が違いました。あれぐらい乾いた馬場なら日本でも対応はできると思うんですけど、こういう（欧州で）少し重たい馬場でも、日本馬にとってはとてつもなく重たく感じるのかな、と。日本とは体力の消耗が全然違うのかな、という印象を持ちました。ゴール入った後もすぐに止まるほど、止まった後も歩くことがやっという状態になるほど、体力を出し切ってくれたので、よく頑張ってくれたと思います」
そう、状態は良かった。
ニューマーケットの坂を天栄と同じように走っていた。
直前輸送も問題なし。
注目はこのセリフ
『ゲート出てからの前半、ポジションを取るまではスムーズに走れていたと思いますし、ただ、向こう正面の中間あたりから、なかなか進んでいくことが難しくなってきまして』
ロンシャンの２４００ｍコースはスタートから４００ｍは平坦。
しかし、４００ｍから７００ｍが2.33％の上り坂、７００ｍから１０００ｍが１％の上り坂がある。
この２，３３％の上り坂は日本のコースには存在しない急坂。
そして、これが馬体重が重い日本馬がロンシャンで苦戦している一番の原因と思われる。
今回はそれに『例年以上に今日の馬場はタフだった』という重馬場が追い打ちをかけた。
日本の重馬場は、濡れた芝が滑るが、野芝の根は網目状に張り巡らされているので足が沈みすぎることはなくグリップも効く。
特にエクイターフを使っている東京などの競馬場はさらに芝が傷みにくく馬場へのダメージが残らないので、エクイターフを使用していない京都と比べて重馬場でも時計が遅くなりにくい。
一方、ロンシャン競馬場はペレニアルライグラスをメインとしている。
ペレニアルライグラスは触ると硬いのだが１本１本が単体で生えているため、野芝のように根が網目状になっていない。
これが濡れると、土壌の土がぬかるみ足を取られるようになり、グリップも効かない。
そのため、良馬場と重馬場で時計のかかり方が大きく異なる。
競争馬は日本では網目状の根のために沈まないが、ロンシャンでは沈んでしまうのだ。
重い馬の方がその影響をより大きく受けるのは想像にかたくない。
エネイブルは５００�舛伐そＧ呂砲靴討和膩燭諒�だが、あの上半身の筋肉を見ればこなす力があるのはわかる。
札幌記念から凱旋門賞というのも大きな問題ではないと思う。
ハープスターが6着で失敗のように言われているが、ロンシャンを知っている騎手が乗っていれば2着はあった。
ブラストワンピースの父ハービンジャーはダンチヒ系でロンシャンとの相性もいい。
そしてダートが苦手。
ダートでは制動力が必要となるので、馬体が緩くパワーに欠けるかもしれないハービンジャー産駒には合わない。
ハービンジャーも現役時代に重馬場で6馬身差で負けている。
そして、小回りコースを苦にしないというか得意。
ブラストワンピースも札幌記念で器用にコーナリングして騎手の思うように走っている。
対して、東京競馬場ではあんまりよろしくない。
そんなブラストワンピースには！
来年の秋はぜひオーストラリアへ遠征してほしい。
オーストラリアではデインヒルがリーディングサイヤーだったりダンチヒ系が得意なスプリントを活かせる競馬場が多く、賞金も高い。
コーフィールドステークスからコックスプレートなんて最高だと思うのだが。
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