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2019/09/19 14:55
欧州と日本の馬場の違い
ディアドラさんやシュヴァルグランの欧州遠征のあったこの夏
エネイブル様という歴史的名牝の存在もあって欧州競馬への関心が高まり、
凱旋門賞でというか欧州で活躍する日本調教馬を考えるようになりました。
欧州のレースを動画でたくさん見ました。
動画みながらタイムを計測し、レース分析番組『The Verdict』も観て、
過去の日本馬の挑戦も見直し、現在の日本競馬の上がり3ハロンのバカみたいな速さに驚いたり。
その結果、欧州と日本の競馬の違いについてだいたいのイメージができた。
1.陸上に例えれば日本はトラック競技、欧州はクロスカントリー
ディアドラのグッドウッド競馬場の下見の様子
https://www.youtube.com/watch?v=YE6NI2Vaj4E
この中で調教助手の方が感想を聞かれて、
『日本の競馬場とかまっ平だけど直線とか、なんかこう走っててもアンジュレーションがあるような感じがするよな』
日本の競馬場も高低差はあっても馬場事態はキレイな平。
日本人の習性ですよね。
キレイに整えないと気が済まないというか凸凹なんて許さない。みたいな。
一方の欧州は元々自然の中をお馬さんが走ってたんだから何か問題でも?って感じでしょう。
坂路はニューマーケットのWorren Hillを参考に造られたといいますが、日本の坂路は表面が真っ平なんでしょうね。
調教場もレースコースも走りやすい路面状態。それが日本。
調教場もレースコースもアンジュレーションがあってバランスを崩しやすい。それが欧州。
2.必要なのはパワーじゃない。バランス感覚。
そして橋田先生のインタビューから
『橋田:筋肉の付き方が少し変わってきた。欧州の競馬に合う形になってきたように思う。
――それはパワーの必要な欧州の重い馬場に合う筋肉という意味
橋田:それは違う。欧州の芝は重くなくて実際は硬いんだよ。ただ、水はけが良くないので、雨が降るとグシャグシャになる。日本で考えられないほどの高低差があるコースだし、低い箇所に水がたまるんだよね。英国は雨の多い国で、それが“重い”イメージを強くしているのかも。
橋田:欧州、特に英国の競馬場は自然を残したところがほとんど。コーナーの形も一定でなければ、芝の状態も均一じゃないし、高低差が20メートルなんてコースもある。起伏が激しくなればなるほど、走っているときにバランスを崩しやすくなるわけだし、その状況に順応するのは簡単ではない。そこを調教でいろいろと工夫することで、現在のディアドラは向こうのコースに順応できる馬体になってきた。「欧州の競馬に合う体」にはこのような意味があるんだよ』
インタビュアーの言葉にあるようにほとんどの日本の競馬ファンの持つイメージは
『パワーの必要な欧州の重い馬場』
そして、これが大きな勘違い。
エネイブル様を見てもただの筋肉質というわけでなく体幹が非常にしっかりしている。
フランキーがジャンプしようが全くブレない。
日本の馬も体幹がしっかりして初めて欧州のアンジュレーションのある馬場で本来の力を発揮できる。
そのためのトレーニングはキッチリキレイに整地された日本の馬場では効果が薄い。