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2019/09/03 16:58
オルフェーブル。その欧州適性の高さ。
常々、オルフェーブルの産駒は欧州でこそ活躍するのではと考えていた。
産駒の札幌、函館競馬場での成績がいいのも、重馬場も良く走るのも父の走法が子供たちに伝わっているからではないのかと。
http://www.b-t-c.or.jp/btc_p300/btcn/btcn93/btcn093-05.pdf
競走馬総合研究所 運動科学研究室 主任研究役の高橋敏之氏の調査研究の『三冠馬の走り方について』という論文がある。
その論文ではディープインパクトとオルフェーブルの走りの違いについても書かれている。
両馬の菊花賞のレースを参考に走行フォームの解析を行っている。
ディープインパクト
平均時速 64km
ピッチ 2.36回/秒
ストライド 7.54m
オルフェーブル
平均時速 62.7km
ピッチ 2.38回/秒
ストライド 7.32m
ディープインパクトは速度を出すときにストライドの長さを伸ばして走行い、
オルフェーブルはストライドの長さをを伸ばすよりもピッチを増加させて走っていた。
四肢の着地時間を見てもディープインパクトやセクレタリアトが両後肢、または手前後肢と反手前前肢が同時に着地している時間が少ない。
『飛んでいる』と評されるディープインパクトの走りはこの着地時間が短くストライドが長いことに由来する。
しかし、人間のハードル競技と同じで、空中にいる時間が長くなると重心の上下動が大きくなり走る効率が低下する。
その点、ディープインパクトはストライドを伸ばしても空中にいる時間は平均値より短いのでスピードを保てている。
一方、オルフェーブル も手前後肢―反手前前肢問距離が平均値と比較して長い。
手前後肢―反手前前肢間距離は走行速度と関連があり、速く走る ためにはこの距離を長くしてストライドを伸ばしていると考えられます。
違うのは両後肢。
両後肢の着地時間は平均的で後肢間距離は平均より短い。
これは、両後肢を近くに着地させることにより、生み出す推進力を増加させて、速いピッチを作り出していたと思われる。
不良馬場のダービーを勝っているのもこの走法のおかげでしょう。
不良馬場では着地している蹄が滑りやすいので通常はストライドの長さを短くしてピッチを優先させて走行する場合が多いと考えられます。
しかし、オルフェーブルは不良馬場でもストライドの長さを変えることなく走っているので元々のピッチ走法が不良馬場に向いていると考えられます。
ディープの産駒も欧州で活躍しているが、固くて平坦な馬場が一番合うのではないか。
そして、オルフェーブルは力のいる馬場が得意で起伏もそれほど苦にしないで走れると思われる。
オルフェーブル産駒が欧州で走る機会が増えることを切に望む。