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2019/06/22 12:31

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 時おり人々のねちっこい視線は感じたもののどうにか店から出ると、駐輪場の近くが、ニコラ・プーサンディオニューソスの誕生』みたいになっていた。
「……うーん」

警備員に絡む、若者たちがたむろして出来た美しい光景だった。背後は丁度山がそびえているので尚更そう感じたのかもしれない。
彼女の姿は見えなかった。
マエノスベテを取り押さえるのは失敗だったが少なくとも、収穫はあった。写真を撮ったのは誰かという問題もありはしたが、ウシさんは彼らに協力を惜しまないことは見えてきた。

「こりゃあ、少なくともサンダースじゃあ、ないだろうね」

彼が、マニアックなことを言った。
「なるほど、プーサン的だ。確かに、これはプーサンだ……」

そして、続けて一人クスクス笑う。

プーサンってちょっとシャフトっぽくないかな?」

「そうだろうか。それだと、逆だろ」

特に、意味のない会話だった。サンダースの話や革命をしている場合ではないのだが、正直、追っ手が尋常じゃないし、周りは駐車スペースで見張らしがいいが足場はないから逃げにくいし、混乱極まるばかりである。本当に、ぼくらも店の周りをぐるぐる回ることとなった。
彼女はどこに居るのだろう。

「あんな風に、計算と冷静さに線を引いて、図としての精密さが僕も憧れるところだよ」

サンダースの話か?」

「どちらかというと、ニコラかな。ところでなんだが、僕は面白いことを常々考えたい性分なんだ」
「それで?」

「こういうときに、夜までに家に帰れなくなるっていうのは実に許しがたいんでね。

女装から聞いた情報である炒めチャーハンドラゴン部隊や、その周りについて考えを落ち着けようと思ったわけだよ。つまりこの街を乗っ取っているひとつであり、恐らくは櫻さんとも繋がっているからこそ、ウシさんはあのニュースを気にして、僕を気にしている。ここまでは分かるんだ、僕らはウシさんの怒りが何に由来するかを探して来た、きみにも薄々飲み込めてきただろう」

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