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2019/05/31 21:08
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すぐに、携帯を持ったまま彼は彼女を手招きした。
彼女は黙ってやってきて頷いている。
「少し、見てもらいたい」
ぼくが近くに行こうとすると、彼は後でわかると言って拒否した。
そういえば相談に来た当初、あまりぼくは詳しい部分、二人が何を話したか全て知るわけではないことを今更のように感じる。どことない疎外感のなかで二人が画面をのぞき込む。
「そうです、はい」
彼女はなにかを納得したように頷く。
「それは良かった、ひと安心だよ。今日はありがとう。ではまた後で……一時間後に、今度は二人きりで会えるかな、連絡先を聞いていいかい?」
ぼくがぽかんとしている間に彼は優雅な動作で彼女の手をそっと握った。
彼女は慌てて近くの紙に鉛筆で、番号を記した。
「はい、此処に」
それからすぐに放すと、ぼくの背を押す。
「帰ろう」
「え? あの、いいの?」
「うん。ご馳走にもなったし、これ以上の長居は無理そうだからね」
にっこり。ヒロインさながらの笑顔だ。
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