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2019/05/12 17:57

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「まだ騒いでるの!」

上階から声がした。
どうやらウシさんが降りてきたらしい。

「私ならなんでもないから早く帰りなさい」

 案外に落ち着いた声でウシさんは諭した。
ナエさんと盛り上がっていた彼女はここぞとでもいう勢いで質問する。
「フラワーアレンジ教室はどうするんですか? 地域のデザインフェスティバルに出すのとか、みんな楽しみにしてます」

「あれはやらないよ。もう断念するしかないんだよ、わかっておくれ! さああんたらも帰って」
地域であるデザインフェスティバルは、皆がそれぞれ作ったりデザインした品を販売、購入できるイベントだ。
都会より規模は小さいが、それなりに続いており、『彼』も人形、作品に使える素材などを見て回ったりするらしい。

「急に中止になったり、急に、ウシさんがお茶会を閉めたり、みんな心配してます!
『お節介おばさん』だって、
見た目は少し派手かもしれない。でも誘いを断る数は多いと言っていましたよ、見た目だけで判断されたくないからだと」

「フン、だったら、あんたこそどうだ、清純派ぶる輩なんかむしろ身持ちが固いわけがない」

「なぜ、そんなことを」

彼女は、いきなり振られた話題に困惑していた。

「実はいろいろ経験していたりしてね」

ウシさんはまるで場の空気に気がついていないようで楽しそうに語っていた。

「若いし? 美人同士は余計なこと言われないからつるんでいて楽だとか、思っているんでしょうね!」

彼女は不本意なようで、硬直してしまいそうな雰囲気を纏いながらも、どうにか言葉を紡いでいた。

「そっ、そんな風に私たちを、見てたんですか? ウシさんは確かに年配ですが、だからって浮いたりしないようにみんな気を遣ってくださって……」

「ああやだやだ、意図の裏側が見えるというのかね? ここでこんな風に話したら、こんな風に振る舞えば、印象がよくなるとかそういう計算する女しかいない」

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