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2019/03/27 18:13
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なんとなく彼と出会ったときのことを思い出す。ぼくは、ちょうど、思春期の真っ只中だった。
彼もぼくも学生だったが、彼は常に保健室登校のような存在だったので教室に居るような居ないような感じで、特に友人に囲まれては居なかった。
ぼくはそれなりに友人は多かったのだが、それは単なる『広く浅く』の成せる妄想じみた仮面であって、卒業さえすれば大抵の相手とはほぼ話もしないだろう間柄だった。
「不思議なんだ」
大体空き教室などに居る彼には休み時間会いに行くことがあったが、よく、そんな切り出しで語り出すことがあった。
「なにが?」
「いや、また、会話もしない、交流もない相手から、いやがらせをされてるみたい」
彼は友達に囲まれてはいないのに、なぜか見えない場所から石を投げる相手に、囲まれていた。
「誰だ! って聞きに行くほどクラスメイトなんて知らないから、恨みすら買えないはずなんだけどね」
確かに教室にすら居るんだか居ないんだかな彼は、誰からも関わられさえしない、恨みを買えるほどの存在ですらないので、これは不思議な現象だった。
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