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2019/03/22 00:35
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夜には終わるというのは早寝がしたい彼には大事なことのようだ。
簡単な食事や支度をした後に婦人の家へ向かい歩くこととなった。
歩いて20分程坂道を越えた場所にその家はあった。なるほど茶会が開かれそうなそれなりのランクの家で、庭先にはプランターなどが並んで美しく足元を飾っている。
「まさか、ここが叔母さんの友人だったとはね」
「知らなかったのかい」
彼の長い髪が、風で微かに揺れている。遠巻きに見ると本当に華奢な印象なのだが、可愛いげのない声で受け答える姿はとてもギャップがあった。
「知っていたなら、玄関先で会った時点でもう少し別の対応をしていたよ」
「そりゃそうだ。女性は交友がどう広がるか読めないからな」
「何か心当たりでも?」
「なくはない」
ドアに付いていた呼び鈴を鳴らすと、しばらくして「どなた?」との返事があった。
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