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2019/02/15 21:10
アンパンマンの歴史 3
現在のアンパンマン
それから15年後の1988年、やなせたかしさん、69歳の時、テレビアニメ『それゆけ!アンパンマン』の放送が始まります。現在の「アンパンマン」です。
アニメは大ヒット。それから30年を経ても変わらずに、アンパンマンは困っている人がいれば、どこへでも助けに行き、お腹が空いている人がいたら、あんぱんで出来ている自分の顔をちぎって差し出しています。
こうして、今の、かわいらしいアンパンマンが誕生しました。三頭身くらいですね、お人形などは二頭身?でしょうか。
アンパンマンミュージアムなどの着ぐるみのアンパンマンは、いまひとつ、かわいらしくない感じを受けてしまいますが、ヒト型のアンパンマンの方が元祖ということなのですね。
やなせたかし『アンパンマンの遺言』 岩波書店刊 より
「子供の時から忠君愛国の思想で育てられ、天皇は神で、日本の戦争は聖戦で、正義の戦いと言われればそのとおりと思っていた。正義のために戦うのだから生命をすてるのも仕方がないと思った。
しかし、正義のための戦いなんてどこにもないのだ。正義は或る日突然逆転する。正義は信じがたい。ぼくは骨身に徹してこのことを知った。これが戦後のぼくの思想の基本になる。逆転しない正義は献身と愛だ 目の前で餓死しそうな人がいるとすれば その人に 一片のパンを与えること」
やなせたかし『ぼくは戦争が大きらい』 小学館クリエイティブ刊 -おしまいに-より
「ぼくが「アンパンマン」の中で描こうとしたのは、分け与えることで飢えはなくせるということと、嫌な相手とでも一緒に暮らすことはできるということです。
「マンガだからできることだ」「現実にはムリだ」なんて言わずに、若い人たちが真剣に考えてくれればうれしいです。」