活路

オルフェーヴルの将来を論じるにあたって重要なのが彼にとっての活路とは何かと言うことに気付くことです。一つはっきりしてるのが人間で言う所のエリート阿修羅です。或いはオルフェのようなミディアムサイズのスーパースターも有りですね。私が望んでるのはエリート阿修羅のスーパースターです。普遍性も必要ですね。支配力、統治力とでも呼ぶべき力も必要です。才能やスター性と言ったものも大切かもしれませんが、一番重要なのはモデルを創造する、モデル(最高の理想)となることだと思います。そのためには親の真似ではダメです。私は健康と生命力も必要と思います。現役として勝負するのか、保守として勝負するのか、超一流として勝負するのか、専門性で勝負するのか、或いは新しさで勝負するのか。いずれにせよ歴史となる必要有ることは確かだと思います。重要なことは理想と成功であり、競走馬とは結局才能と成功、そして特筆すべき資質で勝負する物だと思っております。要は歴史の牽引役であるのか、或いは理想であるのかと言うことです。こう言ったことと後述するスター性とヒットは必ずしも厳密には同一でない。しかし、競走馬はほぼ必ず成功する必要が有る訳です。ここにも難しさがあります。つまり、スター性とは極めて曖昧なものなんですね。遺伝するのかも定かでないです。ヒットも極端な話一般人の娘、つまり一勝馬や未勝利馬の仔でも成功することは可能です。そう言った産駒がG1を獲ることも十分有り得ます。そのG1での一勝は歴史的名馬の一勝と同じ扱いを受けますが、厳密には重みが全然違う。その違いを見極める必要有ります。そこで重要なのが価値と上手と言う概念です。ですからそう言ったアイドルの成功と歴史的人物の成功は別物として分けて考える必要有ります。私はオルフェ産には記憶より記録として残って欲しいです。半端では生き残れないのです。ステイのように努力も重要です。しかし、結局は種牡馬とは歴史的な優駿か、歴史的に特筆すべき資質が有るかと言う点において評価されるべきだと思います。それは即ち記録であり、正真正銘の実力であります。スター性の難しいところは、例えばアイドルであればなぜ成功出来たのかと言う理由を問うことが重要です。それが優れてる、或いは特筆すべき資質が有ることが理由であれば買いですが、根性で成功する場合もありますし、遺伝し辛い才能で成功する場合も有ります。その才能が真に優れた証左であるか、それが歴史的に上等なものであるかと言う検証も必要です。自分がその優位性を保てるか、他から興ってこないかと言う視点も必要でしょう。誰でもヒットすることはできます。そのチャンスはほとんどの馬に与えられています。場合によっては歴史的なヒットも有るでしょう。しかし、ほとんどの成功は下等であるか、記憶に留まるべきものなのです。真に実力が伴った成功でないのです。そこが成功が嘘を吐く所以です。ほとんどの名馬はスター性やヒットで評価されますが、それは多くの場合厳密に査定すると過大評価ですし、その成功のほとんどが単にブームだったと言う落ちも十分あり得るのです。その場合その馬には元から大した能力はなく、必然的に産駒に遺伝する要素は少ないと言うことになります。しかし、単にブームで成功したアイドルも、真に偉大な超一流の歴史的名馬も同じG1の一勝なんですね。善い種牡馬を見極めるポイントはここらに有るのです。私に言わせたら特にドリームジャーニー産の売りは平均力です。つまり、
多くをよりよく養ってるのに過ぎないのです。しかし、サラブレッドの至上命題とはまず成功することです。天才となり、歴史となる。最終的には史上No.1となる必要が有るのです。ディープインパクトと言う馬は超一流の歴史的名馬でありながら、大成功を収めた高尚な馬です。それに対してアーモンドアイは強かったですが、下手物の部類ですね。この違いは大きいです。何らかのきっかけで下手が評価されない限り彼女は厳しいです

ではオルフェーヴルは何か？彼は職業人として卓越したエッジだったと言う訳ではありません。特別理想と言う訳でもないでしょう。しかし、他の追随を許さない歴史的な資質が有ったことも事実で、稀代のスター性と史上空前のバブルとでも呼ぶべき大ヒットによって身を立てた歴史的名馬です。産駒には歴史的人物と覚しき名馬も誕生しています。今後が楽しみですね