ジレトールについて

ジレトールについてはここにも掲示板にも何度か書いている。情報が入るたびに変わっていると思うが、改めて現在の見解を述べておく。4戦を走り、ダート1400mで2勝している状況である。

なぜこの馬に出資したのか。動画やカタログを確認し始めた当初はあまり気にしていなかった。価格が高いしキャロットクラブが懇意にしているノーザンファームではなく他牧場出身だったからだ。だが何度か動画を見ているうちに非凡な脚捌きをする馬だと思うようになった。回転が速くバネがある。馬体は胴が短く縦長に見えていて、首が高いことも相まって完成度は極端に低いと感じた。2歳戦から大きいところを狙えるタイプではなく、レースを使いながら成長し、最終的には重賞のタイトルを取れる馬だろうと思った。顔つきを見ると気性は難しそうだが許容範囲、ノーザンの育成をもってすれば何とかなる。母サンビスタはダートでG1を制した馬で適性は芝ダートどちらか分からないが、馬体と動きから短距離系であろうと判断した。以上が出資理由である。

育成は比較的順調であったと思うが、やはり気難しく突然逃げるといった仕草が見られたようだ。だがそれも「反応がいい」と捉えればプラスとなる。厩舎に入ってからも特段の問題はなく、ゲート試験、放牧を挟んでデビューに向けて調整された。その後の履歴はご覧の通りである。

初戦は太目で２人引きでもかなりうるさい感じだった。馬っけも出していたようだ。レースではスタートから前に行ったが突っかかるような感じがあり、直線で一旦は先頭に立ったが仕掛けが早く失速、5着に敗れた。騎手が我慢しきれなかった感じで、制御の難しさが垣間見えた。舌を越して失速した辺り、まだ競走に向けて集中していない様子も見られた。

2戦目はダートが選択された。血統的にはあり得ることであり、前走が上がり37.0だったので向くのではないかと評価していた。果たしてスタートから気合をつけて逃げると上がり37.0で楽々と逃げ切った。まさに読み通りの展開となったが、同時に少し距離が長いと感じた。前走から絞れてかなり良くなっていたが大きく突き放す感じではなかった。

これを受けて陣営がどこを選択するか注目したところ、東京ダート1400mが選ばれた。ここまでを見ると瞬発力はなさそうなので懸念した。パドックで初めて見ることができたのは幸いだった。やはり想定通りの好馬体、筋肉量が多く質もいい。背中の動きも思ったよりいいが、脚捌きはやや窮屈だった。また馬体が増えて太目に見えた。今から考えるとややデキが良くなかったと見え、スタートからあまり前には行けず中団から運んでそのままに終わった。長距離輸送やらいろいろ影響したかもしれない。

この後もまた一息入れて立て直し、4戦目は再び中京ダート1400m。鞍上も川田騎手ということで、一応勝ちにきている感じはあったが、距離は長いと見ていたので半信半疑だった。映像で見る限りではまたプラス体重で腹回りは緩く見えたものの、歩様にはいい頃のバネがあり柔らかい捌きだった。前走より明らかに良くなっていた。こういう時に現地で見たいものだ。なぜか良くないときに見てしまうことが多い。スタートから逃げてスローに落とし、直線で交わされるかと思いきや突き放して逃げ切った。上がり35.8はスローとは言え価値があり、これまでスピード一辺倒であったのに対して瞬発力を見せた。一段成長したのだろうと見ている。2戦目のデキの良さとは大きく異なる馬体、動きであった。制御性も向上している。

このように、現状はレースによりデキにムラがある。陣営が仕上げ方を変えているのか、同様にやっているのに結果が変わるのかは分からない。馬体の仕上げだけを見れば2戦目が良かったが、総合力は4戦目だ。この2頭が戦ったら後者が勝つだろう。これで仕上げが進めばとか、さらに成長があればといった期待が高まる。

適性についてはどうか。ダート1400mで2つ勝っているが、ここが最適であるとは思っていない。スピードを生かすのであれば1200m以下が良く、まだ芝という可能性を残していると感じている。ダートであれだけの脚を使えるのであれば、芝ならさらにキレるのではないか。やはり出資を検討した際に思ったところに落ち着くような気がしている。無事にいけば重賞は勝てる。G1でも戦えるかもしれない。タワーオブロンドンに少し似てきたと思う。もっと硬い動きをすると思っていたが、実にしなやかに動けるようになった。似たような成長過程でもある。まだ重賞には挑戦していないが、次は出るかもしれない。まずは1400mか1600mで、5月以降なら1200mの重賞もある。今後を楽しみにしている。