お盆にやって来たオニヤンマ、そして今夜...

８月１５、１６日、シャルに会いたくて牧場へ行きました。

厩舎に入ると、大きなオニヤンマがシャルの馬房の前を
低く飛んでいるのが見えました。
私は直感的に「あ、シャル...」と思いました。
この牧場で、20回近く夏を過ごしていますが、
過去に一度も厩舎内でトンボを見たことはなかったからです。
私にはこの大きなオニヤンマが、
逞しく立派な体格だったシャルと重なって見えてしまいました。

このオニヤンマは、私が近づいても逃げるどころか、
私の周りをくるくると暫く飛び続けました。

それからというもの、外から勢い良く飛び込んで来ては、
厩舎の端から端までを飛び回り、私や、シャルと仲良しだった猫の頭上を
旋回し出て行く、という行動を、まるで自分の存在をアピールするかの如く、
何度も何度も繰り返しました。

そして、二日目の夕方、
空っぽのシャルの馬房の天窓から暮れかかった空へと飛び立ち、
私が帰った後は二度と現れることはなかったそうです...

そして今夜、
シャルの馬房の中で、シャルに思いを馳せながら
『千の風になって』を聴いていると...
夜にも拘わらず、ふいに一匹のトンボが...
今日はとてもとても静かに羽音も立てず現れ、
手が触れられるほどにゆっくりゆっくりと馬房の中を一周し、
夜の闇へ消えて行きました。


何でもないことを、シャルに会いたい会いたいと思うあまり
神秘的に捉えてしまっているのかもしれません。
でも、どうしても、シャルが会いに来てくれたと
思わずにはいられない出来事でした。