サマーセルについて

今週は月曜から木曜にかけて、北海道新ひだか町で『サマーセール』が行われた。
今年も多くの馬主さんがいらしてたみたいで、昨年以上に盛り上がった。売却総額も売却率も昨年の数字を上回ったみたいだから何よりの結果。
サマーセールに上場される馬はセレクトセールとは全く違う。最近のセレクトセールは億超えが当たり前になってきていて、総額何百億円ってお金が動くのに対して、サマーセールは最高落札額が2000万円ソコソコって感じ。それでも４日間で40億円以上のお金が動く。
馬がちゃんと売れるということは、次はいい種牡馬を付けることが出来るし、目に留まる牝馬がいれば繁殖として購入することも出来る。そうやって馬質がよくなれば、また売れるという良い循環が生まれる。
今では"ノーザンF"だったり"セレクトセール"ってのがブランドになっているし、そこにお金が流れるから必然的にそのブランドからイイ馬が出てくる。
逆に言うと、いい参考例が身近にあるから、サマーセールやセレクションセールといった新ひだか主体のセリももっと盛り上がってくれれば、もっと日本競馬は楽しくなると思う。
というわけで、サマーセールは馬主さんにとったら手頃な金額で馬を購入出来るセリ。要するに、ストレートに言うと、馬主さんの中には、こういった安価で購入出来るセリで多くの馬を集めて、素質馬に巡り合ったらラッキー的な考えの馬主さんもいる。
というのは、JRAは海外と違って、本賞金以外にも奨励金、補助金、褒賞金、同付加金などといった馬主さんをバックアップするシステムがある。だから、海外の馬主も積極的に日本の馬主資格を獲ろうとしている。

例えば、こう思ったことはないか？

「この馬主の勝負服よく見るけど、活躍馬ってピンっと来ないし、馬主業は大丈夫なんだろか」

ハッキリ言おう。大丈夫だ。
というのも、例えば、このサマーセールの平均落札金額は550万円ってところ。いざ、デビューしたとなると新馬勝ちした場合の本賞金700万円に加えて、奨励金などを入れると、だいたい1000万円近くが馬主に入る。
年齢や出走回数によっても違うし、重賞なんかは出走するだけでいい額をもらえる。もちろんケガした時の保険もバッチリ。そして多くの馬を抱えている馬主さんのミソは『早く引退させる』ってことだ。
例えば、2歳で5回出走している馬が引退する時は、競走馬登録抹消給付金として220万円がJRAから付与される。500万円で買った馬だとしたらそれだけで半分がペイだ。ただ、こういった考えをもった馬主さんの購入する馬は500万円でも高い方かな。
安くて目ぼしい馬を大量に購入する→走らないと分かったら5回出走させて引退させる
を繰り返すことで、リスクを減らしながら、活躍する馬に巡り会えたら大プラスってことだ。
ここで馬主さんの名前を出したら語弊があるかもしれないから、控えておくけど、どうだろ、だいぶ馬主業ってのが分かったのでは？
時間があれば、サマーセールの落札者を眺めて見るといい。「あぁこの馬主さんのことか」って分かるかもしれない。
それが分かると、馬券購入する時に「あっ、この馬は買ったらダメだ」って判断出来る材料にもなるのだ。競馬ってのはビジネスの側面も持ち合わせてるから、多方面から判断するってのはこういうことも考慮する必要がある。覚えておくと、役立つよ。