香港ヴァーズでのモレイラ騎手のコメントについて

　一部に「素っ気ない」とか「厩舎を皮肉っている」という声もあるが、公式コメントは概ね以下の様である。

　「途中まではまだ良い走りだったが、最後まで走り切ることは出来なかった。このようなペースは、彼が母国で慣れ親しんできたものとは全く違う。ベストを出せたとは思っていない。」

　ぶら下がりで異なるニュアンスのコメントを拾ったのかもしれないが、日本のメディアの伝え方にも問題はあったと思う。

　主たる敗因は馬自身の体調にあったと見ていいだろうが、馬場も特殊な状態だったようだ。当該週は一時にわか雨もあったもののほぼ好天続き。だが実際の勝ち時計や、最も道悪巧者と思えるジュンコが勝ったこと、超スローなのに前に着けたウォームハートやジェラルディーナが伸びなかったことを考えると、良馬場とは名ばかりの重い馬場だったことは間違いない。
　今年のシャティンは高速寄りと見ていただけに、要因は当日朝の散水量以外に思い当たらない。香港は比較的公平な馬場を用意してくれるイメージだっただけに残念である。

　ともあれ今回の遠征では全く力を出していない、出せていないので、悲観することはない。ただ、馬が「競馬はつらいもの、楽しくない」と思っているとやっかいなので、そうではないことを祈るしかない。