レッドクライム（第53回）　京都を飛ぶ

　ようやく前に促すようだ。本当は前走それをやって欲しかったのだが、
1戦無駄に費やした感が強い。イレ込みと紙一重とはいえ、前進気勢が
旺盛なのがこの馬の長所だったと思う。それが去勢によって失われて
しまったようだ。現時点では裏目に出た印象は否めない。もちろん、
最終的判断はもう少し待たなければいけないし、やってみなければ
分からないものだからやむを得ない。

　ただ、今の様子を見ると、控えればどこまでも下がって行ってしまい
そうだ。かなりズルさが出てきているように思える。そして現厩舎に
来てから、平地を含めて稽古がやや緩い気がする。当然、各厩舎の
方針はあるだろうが、ワンペースの馬が前に行く気になるような内容
とは思えないのだが。

　最後になってしまったが、前走の振り返りを。好スタートを切り、
一瞬出して行くかと思ったのだが、すぐにズルズル後退。定位置に
落ち着いてしまった。飛越は多少慣れて来た感じだが、全く前を追う
気を見せない。
　着順は下げたものの、勝ち馬とのタイム差は5.4秒→3.5秒。2戦とも
直前を走っていたニシノアレスとは0.9秒→0.7秒。これを一歩前進と
捉えるかは微妙だ。2戦目ともなれば、もう少し目に見える形で上積みを
見せて貰いたかった。

　今回の結果によって障害継続か平地復帰か決まるようだ。これは
大変複雑な心境でレースを迎えることになろう。走る以上は好成績を
望みたいし、事故のリスクを考えると平地に戻って欲しい気もする。
何とももどかしいところだ。