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2019/05/14 19:45

ダミアン・レーンが教えてくれた日本人騎手のレベル

 以前、須田鷹雄氏の、豪州ヴィクトリアから誰か来てくれないかという
コラムの一文を見て、思い浮かべたのがダミアン・レーンである。その
理由はブレイブスマッシュの移籍後最初の主戦騎手であり、初勝利の
相棒だったからだ。
 そうした縁もあり、実際に彼が来日してから注目していた。正直なところ、
本領を発揮するにはもう少し時間がかかるだろうと思っていた。ところが
いきなり結果を出し始め、あっという間にG1まで手にしてしまった。
ヴィクトリア州の騎手がヴィクトリアマイルを獲るというのは、いささか
出来過ぎの気もするが、まぐれでも何でもない。

 だが、日本のメディアが慌てて付けた「豪州の若き天才」というフレーズは
少々違和感がある。イメージとしては天才肌と言うよりも、オーソドックスで
あり基本に忠実という印象だ。少なくとも剛腕タイプではないだろう。
 私は以前から鞭に頼りすぎたり、上半身のアクションが無駄に大きい
一部の騎手の乗り方に不満があった。それに対してレーン騎手は鞭を打って
押して押して、打って押してというバランスの取れた騎乗を見せてくれた。
そしてヴィクトリアマイルのゴール前の叩き合いで、脚(きゃく)を入れ
ながら追う姿に驚いた。脚を入れること自体は騎乗の初歩であり何ら驚く
ことではない。問題はゴール直前という場面だ。心理的に上半身で強く
追いたくなるのが普通と思うのだが、このスタイルで勝ってきていると
いう自負があるのだろう。実際彼は「馬の終いを伸ばすことには自信が
ある」と豪語している。
 これに関して、レーン騎手が乗ったノームコアの追い切りを見た井内氏が、
ノームコアの伸びの変化を指摘していたのはさすがと言うしかない。

 ともかく、同年代の日本人騎手で彼に匹敵するような逸材は見当たらない。
少数精鋭主義を含めた従来の騎手教育・育成システムが限界にきているのは
明らかだ。「馬は世界に通用するようになったが・・・」と言われるような
現状を早く打破して欲しい。

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