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2016/04/04 17:09

レッドクライム(第10回) トウカイポイントおじさん

 新馬の事前評価でモノを言うのは近親馬の活躍である。レッドクライム
場合は、母の全兄でありテイオーの代表産駒でもあるトウカイポイント
その筆頭になる。
 左右非対称のユニークな流星を持つため、正面からだとあまり似ているよう
には見えないが、同じ栗毛なので横顔などは割と似た印象ではなかろうか。

 そのおじさんの競走馬歴は決して順風満帆ではなかった。地方でデビューし、
中央に転じてからもさほど目立つ成績を挙げられないまま時が過ぎた。当初は
先行が多かったが意図した位置というよりも、激し過ぎる気性のせいで
掛かって出て行ってしまうという感じだった。
 その結果、5歳時に去勢するという手段が取られた。競走馬としては
この判断が正しかったことになる。

 6歳を迎えて、ようやく才能が開花した。セン馬となって気性の改善が
見られたので、適距離・適位置で競馬をすることが出来るようになった。
中団後方で脚を溜め、直線で馬群を捌いて末脚を炸裂させるスタイル
確立されたのである。

 まずは中山記念で競馬ファンを驚かせた。同じテイオー産駒トウカイパルサー
とは明暗を分けたが、見事な差しきり勝ち。鞍上の岡部Jはルドルフ・テイオー
続き、3代にわたって重賞に導いた。
 そして最大の見せ場がやって来た。マイルCSで蛯名Jを乗せ、11番人気を
覆す大殊勲。その勢いを駆って香港マイルでも『東海角』の名で差の無い3着。
 この年はアドマイヤコジーンエイシンプレストンといった強豪に2度ずつ
勝利するなど、目覚ましい活躍を見せた。
 翌年、連覇を狙った中山記念で不運に見舞われたが、かろうじて予後不良を
免れ、引退した。

 すでに語り尽くされたことではあるが、テイオーの後継種牡馬にふさわしい
強さを発揮しながら、去勢を受けていて叶わなかったこと。そもそもそれが
なければ上記の成績を残せなかっただろうことなど、トウカイポイントには
様々な思いが残る。
 気性難は似て欲しくはないが、馬群をものともしない勝負根性と末脚は、
おじさんからレッドクライムに受け継がれていると信じたい。

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