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2015/08/19 15:26

ルドルフの好敵手(2):カツラギエース、世界の扉をこじ開ける

 ギャロップダイナとは全く逆の脚質でシンボリルドルフを破り、
大番狂わせを演じた馬がいる。1984年のジャパンカップ、
世界をあっと言わせた単騎大逃げで勝った、カツラギエースである。
 それまで地元日本馬は外国馬に全く歯が立たなかった。
今のジャパンカップしか知らない世代には信じられないだろうが、
「事実上の世界選手権」と言っても良いメンバーが揃った時もあったのだ。

 この年、「今年こそ日本馬が勝てるのではないか。」そう期待したファンが
多くいた。その期待は三冠馬のミスターシービーシンボリルドルフ
寄せられたのである。それに対して、カツラギエースは宝塚記念の覇者で
ありながら、蚊帳の外に置かれたような存在だった。

 だが、レースが始まると皆が驚いた。それまで先行策を得意としていた
カツラギエースが猛然とハナを切り、他馬を引き離しにかかったのだ。
「伏兵の奇策に応じる必要は無い。」と有力馬達は追わなかった。
 そして直線、何度も後続に掴まりかけては粘り続けるカツラギエース
「もう駄目だ。」「ルドルフが来るぞ。」様々な声が飛び交う中、最後は
突き放す形で逃げ切った。そして、ルドルフは3着だった。

 ジャパンカップを勝ち、世界の扉を開ける。当時それは日本競馬界の
悲願だった。そして、その願いは2頭の三冠馬に託されたはずだ。
ところが、同じ日本馬でも勝ったのはカツラギエース。その瞬間、スタンドに
響いたのは快挙に沸く歓声ではなく、世紀の大波乱を目撃したどよめきだった。

 1ヶ月後の有馬記念。再び逃げを打ったカツラギエースだったが、相手の
作戦と能力を見切ったルドルフ・岡部のコンビは全く慌てることも無く、
同じ轍を踏まなかった。ルドルフの本当の底力を見せつけられた
カツラギエースは、このレースを最後にターフを去って行った。

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