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2015/06/02 18:07

トウカイテイオーとシャコーグレイドの皐月賞

 トウカイテイオーの記憶に残るレース、それは全レースだと言ってしまえば
それで終わってしまう。メモリアルレース、ベストレース、表現はいろいろ
あるだろう。多くの人はラストレースの有馬記念を挙げるだろうし、
日本ダービーやジャパンカップも忘れられない。もしかしたら逆に悔しいレース、
春天や1度目の有馬記念と言う人もいるだろう。

 だが、私は敢えて皐月賞を取り上げたい。それは、「期待」が「確信」に変わった
記念すべきレースだからだ。「皇太子」が「帝位」を継いだ日と言っても良い。
 そして、そのレースでテイオーに次いで2着に入ったのがシャコーグレイドだ。
抽選で18番目に滑り込んだラッキーボーイ。まさかの躍進だった。
 シンボリルドルフの息子とミスターシービーの息子、三冠馬Jr.同士のワンツーは
競馬ファンを興奮させた。この2頭が宿命のライバルとして数多くの名勝負を繰り
広げるのではないかと。だが、実際にはそうはならなかった。

 レースは大外から中団に付けたトウカイテイオーに対し、内枠のシャコーグレイド
父シービー同様の後方待機。テイオーは常に外を回されるものの、4角で先頭に並ぶと
直線では他馬を寄せ付けない横綱相撲で押し切った。そして、その後ろには
いつの間にかシャコーグレイドが続いていた。

 その後のトウカイテイオーの歩みは今更言うまでもない。紆余曲折はあったが、
名馬としての地位を揺るぎないものとする活躍を見せてくれた。
 一方のシャコーグレイドは皐月賞の輝きを取り戻せなかった。
デビュー2連勝のあと、何と4年近くも勝ち鞍から遠ざかったのだ。
久々に勝ったその日がテイオーの引退式当日というのはあまりにも出来過ぎか。
 競馬ファンは、シャコーグレイドが盟友トウカイテイオーを勝利で見送ったと
噂したが、馬たちの因縁は人間が勝手に造り上げるものだ。強いて言うならば、
『盟友』というよりも敵関係ではあるが『戦友』と呼ぶのがふさわしいと思う。
ともあれ、イケメン貴公子の『主役』テイオーに対し、やや地味な
シャコーグレイドは『脇役』に徹することになってしまった。
だが、よく見ればシービー譲りの気品ある顔立ちである。

 そのシャコーグレイドに逢いに行こうかと思ったことが2度ばかりある。
2度目は去年の秋だったが、いずれも実現しなかった。そして間もなく
彼は天に召された。その少し前、映画に出演し本当の『名脇役』を演じて見せたのは
有名な話。思わぬ形でシャコーグレイドの名は長く残ることとなったのである。

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