馬のプライド

今年もダービーが終わり、ちょっと気が抜けている方が多いのではないでしょうか？


昨日のドゥラメンテ、何だか急に大人びた感じに見えました。
大きなレースを勝った事で、お馬に自信がつき貫録がでたような気がしたのは私だけでしょうか？

何年か前、お馬さん達に会いに行った時の事でした。
前日、雨が降ったために、放牧地はあちこち水たまりが出来ていました。
私たちはまず、手前のお馬から順番にニンジンをあげたり、写真を撮ったりして行きました。
奥の放牧地にいたお馬が、首を伸ばすようにして私たちを見ていましたが、そこに行くには、大きな水たまりがあるので、グル〜っと遠回りをしなくてはならず、「　必ず行くから待っててね　」と声をかけながら、結局一番最後にその仔の所へ行ったのでした。
すると、差しだしたニンジンをチラッと見て彼はそっぽを向きました。
「　え！　ニンジンだよ。大好きでしょ　」とか言いながら、それぞれにニンジンを差しだすのですが、口にしようとしません。
みんなで顔を見合わせて「　？？？？　」。
で、ハッと気づきました。
このお馬さんは引退馬ではなく、この牧場さん唯一の現役種牡馬でした。
それが、一所懸命アピールしたにもかかわらず、つい最近来たばかりの新人引退馬の所へ先に行って、現役種牡馬である自分は後回し。
いたくプライドを傷つけられたのでは・・・・・・そう考えた私たちは、牧場長さんを呼んで訳を話し、牧場長さんからなら食べるかも知れないとお願いしたのですが、全て拒否。
ついには奥の方に引っ込んでしまったのでした。
ニンジンを拒否ったお馬を見たのは初めてでした。
帰りの車の中で、私たちは深く反省し、次回からは何があっても真っ先に彼の所へご挨拶に行こうと誓いました。

その誇り高きお馬の名はオリオンザサンクス。
１９９９年、道営競馬から大井競馬へ移り、羽田盃東京ダービー、第１回ジャパンダートダービー、京浜盃など勝ちまくり、「ＮＡＲグランプリサラブレッド系最優秀４歳馬」に輝いた、南関東の星とよばれたお馬です。
この事から、お馬にもしっかりプライドがあるのだと学びました。

オリオンザサンクス・・・・・・・・誇り高き男です！

追記
今はすっかり仲良しで、行くと下の画像のようなニンジンねだりポーズをしてくれます（笑）