351件のひとこと日記があります。
2015/05/19 10:20
忘れてはいけない馬
いつかこのお馬の事を書きたいと思っていました。
競馬がマネーゲームという非情な1面を持つことを、身をもって教えてくれた牝馬。
☆サンエイサンキュー☆
1989年、父ダイナサンキューと母グローリーサクラ、母父シーホークという血筋に生れた小柄な葦毛馬です。
ちょっと父ダイナサンキューにふれてみると、デビューして3戦3勝、デイリー杯3才ステークスを圧勝して、一躍クラシック候補に名乗りをあげた途端、屈腱炎発症で無念の引退、種牡馬になったのでした。
ちなみに、その年の皐月賞上位馬3頭( サクラスターオー、ゴールドシチー、マティリアル )、2頭はレース中の故障で予後不良、1頭は引退後の乗馬調教中に故障で予後不良と、悲劇の世代と呼ばれているそうです。
閑話休題、
1991年に競走馬デビューしたサンエイサンキュー、いきなりの3連闘、彼女のこれからを暗示しているかのようでした。
それからの彼女の戦績は、ググってもらえればわかると思いますので省きます。
とにかく、2年間、24か月で17戦です。
それも殆どがグレードレース。
430キロそこそこの若い牝馬には辛かったことと思えます。
オークス後も夏の休養も無く走り続けていたサンキュー。
エリザベス女王杯に向けて、トライアルのサファイアSとローズSの両方使う事に、オークスから手綱を取っていた田原騎手は「 ローズSは使うべきでない 」とインタビューの席で発言し、大きな波紋を呼びました。
その事で彼はエリザベス後、主戦ジョッキーを降ろされました。
でも、騎手がこういう事を言うのは、ある程度覚悟があってのことでしょう。( 田原騎手だから言えた、と云う事もあるでしょうが )
そのくらいサンキューの状態が良くなかったのだと思われます。
事実、担当の厩務員さんも「 歩くとサンキューのトウ骨がギシギシいうのが聞こえた 」と言ってます。
そして、周りは休養をさせたがったのにも関わらず、馬主の要請で運命の有馬記念出走。
当然というべきか、サンキューの脚はそこで遂に終わりを迎えてしまうのです。
普通なら予後不良となるような重傷。
そこでもまた馬主の強い要請で、延命のために手術がおこなわれました。
取りあえず手術は成功したものの、2次災害というべき蹄葉炎発症。
これで、かのテンポイントも、サクラスターオーも苦しんだ末に痩せ衰えて亡くなっています。
積極的に安楽死肯定ではありませんが、こんなにガリガリになるほど苦しませるなら・・・・・・以前、闘病中のサクラスターオーをテレビで見た時思いました。
でも、この馬主はこの後4度も手術を行うのです。
それは、サンキューに生きていて欲しいという愛なのか、何とか生かして子供を走らせたいという欲なのか、部外者にはわかりません。
そして、1994年10月、サンキューの心臓は動くのを止めました。
5年間の馬生でした。
競馬が産業であり、ビジネスである事は百も承知です。
したがって、可哀相とか可愛いとかだけで馬を見てはいけないという事もわかっています。
時には非情な決断をしなくてはならないことも重々知っています。
だから、何が良いとか誰が悪いとかは一切言いません。
ただ、願うのは、お馬は道具でも機械でもない、切ったら赤い血が流れる、悲しかったら目から涙を流す、好きな人には甘えるけど嫌いな人にはお尻を向ける、そんな豊かな感情を持った、生き物であることをわかって欲しいという事です。
1992年オークス・・・・サンエイサンキューはアドラーブルの2着でした。
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sevenさん
サンキュー‥牧場へ行きご対面しました。
身も心も傷ついた彼女はでしたが、馬房の中で直ぐに立ち上がり一緒に写真に収まってくれました…* -
sevenさんがいいね!と言っています。
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エドリンさん
馬のきもちさん、こんにちは♪
私も最初の頃は、何とか生かせないのかと憤慨した事もありました。
でも、救えるものなら救いたい、その思いは現場の方達が一番強いと思います。
サクラスターオーの哀しい姿を見て、生かすことだけが馬の為ではないと思い知らされました。
ただじっと痛みと闘うだけの先に希望があるなら、それも有りでしょう。
でも、馬という生き物は、自分の脚でしっかり立って初めて生きられる動物です。
その見込みがない以上、苦しむだけの延命措置は辛すぎます。
馬の義足や、車椅子、ありえないですものね。
サンキューは、沢山辛い思いしましたが、その何倍もファンに愛され、その心に生き続けています。
彼女が残したメッセージ、伝えていきたいです。 -
馬のきもちさん
おはようございます♪
競馬を知ってしばらくはレースで故障したお馬さんがなんでこんなにも予後不良になるのか、憤慨したものでした。
でも少しづついろいろな事がわかってくると治療して生かしていることが馬にとって苦痛にしかならない状況もあると知ってからは少しは受け入れられるようになった自分がいます。
サンキューさんは可哀そうなことをしました。
馬主さんの真意はわかりませんがさんざん酷使した挙句計5度の手術とは・・・
生きていることがどんなに辛かったかと思うと胸が押し潰されそうな思いです。 -
エドリンさん
コータローさん、いいね!とコメント有り難うございます。
サンキューが残したメッセージ、決して忘れてはいけないと思います。
お馬は血の通った生き物であるという、極めて当たり前の事を認めてくれる人達が増えてくれたら、サンキューの辛かった馬生が報われるような気がします。 -
コータローさん
これはせつない馬ですね、サンエイサンキュー。大きな瞳と大きな鼻の穴をひろげて、牡馬に混じって頑張っていたのを思い出します。田原騎手がなんと言うか、負担をかけないような感じでレースに騎乗していたように感じたことを思い出します。有馬記念は...。長い闘病生活、脚が曲がった写真を見て、痛々しいと思いつつもなんとか生きて欲しいと、身勝手なことを思ったりしていました。とりとめないですが、この時の経験が今の競争馬の管理に生かされていれば、と思います。また、こうしていつまでもサンエイサンキューのことを思い出してあげたいと思います。
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コータローさんがいいね!と言っています。
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馬のきもちさん
前の日記のコメントをこちらに投稿してしまいましたので削除して
「ベガと子供達」に投稿しなおしました(/_;) -
エドリンさん
馬の気持ちさん、頑張ってますね。
お馬を愛する気持ちがよくわかります。
その熱い思いを失わず、少しずつ、自分の出来ることやっていきましょう。 -
馬の気持ちさん
日本地方競馬馬主振興協会の中にひとことコーナーがあります。